四維(読み)シイ

デジタル大辞泉 「四維」の意味・読み・例文・類語

し‐い〔‐ヰ〕【四維】

天地の四つの隅。いぬい北西)・ひつじさる南西)・たつみ南東)・うしとら北東)の四つの方角。しゆい。「四維の陣」
「―国界の数里をしるす」〈奥の細道
《「管子牧民から》国家を維持するのに必要な四つの大綱。礼・義・廉・恥の四つの道徳

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精選版 日本国語大辞典 「四維」の意味・読み・例文・類語

し‐い‥ヰ【四維】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 天地の四隅。すなわち、乾(いぬい)(=西北)・坤(ひつじさる)(=西南)・艮(うしとら)(=東北)・巽(たつみ)(=東南)の四つの方位のこと。しゆい。〔孟浩然‐陪張丞相自松滋江東泊渚宮詩〕
  3. ( 「維」は綱の意 ) 国を維持するのに必要な四つの綱。礼・義・廉・恥の四徳。
    1. [初出の実例]「豈非中国失法、求之四維、而此方少識者、如魯人耳」(出典:依憑天台集(816))
    2. [その他の文献]〔管子‐牧民〕

し‐ゆい【四維】

  1. 〘 名詞 〙しい(四維)
    1. [初出の実例]「東西南北・四維上下、六種に震動す」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    2. 「東西南北四維(シユイ)上下に充満して」(出典:太平記(14C後)六)
    3. [その他の文献]〔無量寿経‐上〕

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普及版 字通 「四維」の読み・字形・画数・意味

【四維】しい

四綱。

字通「四」の項目を見る

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とっさの日本語便利帳 「四維」の解説

四維

▽乾(いぬい。北西)、坤(ひつじさる。南西)、艮(うしとら。北東)、巽(たつみ。南東)の四隅

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内の四維の言及

【方位】より

…西北風をアナジとかタマカゼと称し,悪霊とともに善神も来る両義的な方位とし,屋敷では稲荷をまつる。以上の3方位に辰巳(たつみ)(東南)を加えて四角(しかく),四隅(しぐう),あるいは四維(しい)と呼び,それぞれ艮(うしとら),坤(ひつじさる),乾(いぬい),巽(たつみ)の字をあてる。 また,神聖な方位には,恵方(えほう)(明きの方)があり,新しい年神,歳徳神を迎える方位で,年神棚,門松,若水汲み,鍬始めはその方位を意識している。…

※「四維」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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