国立文化財機構(読み)コクリツブンカザイキコウ

デジタル大辞泉 「国立文化財機構」の意味・読み・例文・類語

こくりつ‐ぶんかざいきこう〔‐ブンクワザイキコウ〕【国立文化財機構】

文化庁所管の独立行政法人文化財保存・研究、国立博物館運営などを行う。平成19年(2007)に国立博物館文化財研究所が統合して発足
[補説]東京国立博物館京都国立博物館奈良国立博物館九州国立博物館東京文化財研究所奈良文化財研究所六つを運営する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国立文化財機構」の意味・わかりやすい解説

国立文化財機構
こくりつぶんかざいきこう

有形文化財収集、保管して観覧に供し、またそれらの調査および研究などを行う文部科学省所管の独立行政法人。東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館の4博物館を有する独立行政法人国立博物館と、東京文化財研究所、奈良文化財研究所の2研究所を有する独立行政法人文化財研究所の2法人が統合し、独立行政法人国立文化財機構法(平成11年法律第178号)に基づき、2007年(平成19)4月に発足した。これにより、文化財の調査、研究、保存、展示が一つの組織で効率的かつ効果的に行われることになった。本部所在地は東京都台東区上野公園(東京国立博物館内)。

 業務の内容は以下のものがある。(1)歴史・伝統文化の保存と継承の中心拠点としての役割を果たす、(2)文化財を活用した歴史・伝統文化の国内外への発信、(3)日本の博物館の中核として博物館活動全体の活性化をはかる、(4)文化財に関する調査および研究の推進、(5)文化財保護に関する国際協力の推進、(6)研究成果などの情報発信機能の強化、(7)地方公共団体への協力などを通じて文化財保護の質的向上を目ざす。

 各博物館では、文化財の収集、保存、管理、展示、調査研究、教育普及事業などを行っている。東京国立博物館は、人文系の総合的博物館として、日本を中心に広くアジア諸地域の文化財を扱う。京都国立博物館は京都文化を中心とした文化財、奈良国立博物館は仏教美術および奈良を中心とした文化財、九州国立博物館は日本とアジア諸地域との文化交流を中心とした文化財をそれぞれ扱っている。また、二つの文化財研究所では文化財保存などの諸研究が進められており、2011年10月には7番目の施設としてアジア太平洋無形文化遺産研究センターが設置された。

[編集部]

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