園遊会(ガーデン・パーティー)(読み)えんゆうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

園遊会(ガーデン・パーティー)
えんゆうかい

ガーデン・パーティーgarden partyの訳。慶事、祝事の披露や寿宴、賀宴などに多数の客を収容するため、自邸の庭または名園などを利用して行う催し。19世紀後半、イギリスでビクトリア女王の誕生日に行われたのに始まり、のち国王の誕生日に関係なく催されるようになった。晩春初夏のころ、花や緑の美しい庭園で開かれるのが通例で、軽食を供し、音楽や余興を添えたりする。日本で最初の現代風の園遊会としては、1883年(明治16)に総理大臣大隈重信(おおくましげのぶ)が、早稲田(わせだ)の自邸で立憲改進党結成1周年記念に党員百数十名を招いて行った遊園会がある。90年に東京府知事就任の披露会以後、園遊会というようになった。初めは園内に模擬店を設けて日本酒、ビール、すし、田楽(でんがく)、うどん、そば、団子、汁粉などを供し、能狂言舞踊、楽隊演奏などを余興に行うのが普通で、芸妓(げいぎ)を接待係にしたりしたが、ビール、コーヒー、冷肉、果物、菓子などを用いる洋風の園遊会もしだいに行われるようになった。皇室主催の園遊会は春秋2回、東京の赤坂御苑(ぎょえん)で催される。

[佐藤農人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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