地域包括支援センター(読み)ちいきほうかつしえんせんたー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地域包括支援センター」の意味・わかりやすい解説

地域包括支援センター
ちいきほうかつしえんせんたー

高齢者への総合的な生活支援の中核となる地域機関。従来在宅介護支援センターの機能を充実させるため、2006年(平成18)4月に改正・施行された介護保険法に基づいて創設された。市区町村、または市区町村から委託を受けた法人が設置する。原則として保健師社会福祉士主任介護支援専門員(介護支援専門員の実務5年以上で研修を修了した者=主任ケアマネージャー)の3職種が連携して業務にあたる。その内容は、(1)要介護になりやすい高齢者に介護予防ケアプランをつくり、必要な援助をする、(2)高齢者がその地域で生活していけるようさまざまな相談にのり、地域のネットワークを活用して支援する、(3)高齢者を虐待や詐欺的被害から守る、(4)主治医や他機関などと連携し、介護支援専門員を助言し、後方支援する、などである。要支援の高齢者が要介護になるのを防ぐ介護予防支援事業所として機能させることもできる。2012年4月の時点で、地域包括支援センターは全国に4328か所あり、市区町村直営が3割、委託が7割を占めている。委託先は社会福祉法人、社会福祉協議会、医療法人などが多い。

田辺 功]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例