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均衡原理[国際政治] きんこうげんり[こくさいせいじ]concept of equilibrium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

均衡原理[国際政治]
きんこうげんり[こくさいせいじ]
concept of equilibrium

均衡 (平衡) とは多数の自律的な諸力から成るシステム内での安定を意味し,システムを構成している諸要素の変化によって均衡が乱された場合,システムが新たな均衡を回復しようとする傾向や法則をいう。経済学をはじめ多くの分野で理論構成の基本原理として用いられてきたが,国際システムの分析,理解にもこの原理が応用されている。この考え方によれば,国際情勢は現状を維持しようとする勢力と,打破しようとする勢力の対立と均衡の過程としてとらえられ,均衡状態は平和をもたらす望ましい状態で,不均衡状態は戦争につながりやすい,望ましくない状態であるとされる。この原理に基づく国際システム理論において鍵となる概念として,安定,不安定,恒常性 (ホメオスタシス) 維持機能,極の状態,力の集中,階層性などがあげられる。現実の国際政治では勢力均衡のためにいろいろな政策がとられているが,自他の国力の測定は厳密には不可能であり,自国が均衡と考える状態は相手国にとっては不均衡を意味するという矛盾が常に存在する。その意味では,均衡原理は現実になかなか妥当しにくい。また現状打破を目指す勢力にとっては,均衡原理のもつ国際社会の安定と秩序という大義名分のゆえに,結果としてその正当な要求が押えられることにもなる。理論的にも,均衡原理ではシステムの変化,システムとシステム外との関係を十分に理解できないことが指摘されている。 (→世界システム論 )

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