埋(め)立て(読み)ウメタテ

デジタル大辞泉の解説

うめ‐たて【埋(め)立て】

海底などに浚渫(しゅんせつ)土砂などを積み上げ、新しく陸地を造成すること。また、それによってできた土地。「埋め立て地」「埋め立て工事」

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百科事典マイペディアの解説

埋立て【うめたて】

新陸地を造成する工事。水面に土砂を堆積して満潮面よりも高くする。このため堤防で区切られた内側を排水する干拓とは区別される。埋立地は港湾・工場用地などに利用,日本の臨海工業地域は埋立てによるものが多い。工事は周囲に護岸を設け,その内部に土砂を入れる。土砂は背面の山など既存陸地の掘削土を運ぶ場合(たとえば神戸)と,近傍の水底の土砂をサンドポンプで圧送または土運船で運ぶ場合(たとえば京葉)とがあるが,安価・迅速で浚渫(しゅんせつ)と並行して行える後者が多用される。堆積した土砂を早く落ち着かせ,陸上施設を早期に建てるためサンドドレーン工法(水を吸い上げる砂柱をつくる)を利用することも多い。しかし地盤の圧密に時間が必要であり,土砂の質,水抜きにも注意を要する。兵庫県南部地震で打撃をうけた神戸市のポートアイランドでは液状化現象が大規模に観察された。土木技術上解決すべき課題も残されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

うめたて【埋立て】

土地として利用するために水面に盛土し,満潮面より高い陸地を造ること。堤防などで水面をくぎり,内部の水を排水して単に陸地化する干拓と区別されるが,英語ではどちらもreclamationである。平地に乏しい日本では,古くから湿地帯,河川,湖沼で埋立てが行われ,陸地として利用されてきた。海面への埋立ては,当初,船瀬(港)を造るときの一つの方法として用いられ,例えば家原寺に残る行基の大輪田泊築港の図を見ると,護岸を築き埋立てを行っているようすがうかがえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

埋立て
うめたて

海域、湖沼、潟を土砂で埋め立て、港湾施設、工場、住宅、流通団地や下水処理施設、あるいは農耕用地などをつくることをいい、近年では埋立てによって海上空港をつくるまでになっている。日本の四大工業地帯である東京・横浜、名古屋、大阪・神戸、北九州はいずれも臨海部に立地し、大半は埋立地の上に工業地帯を造成してできたものである。
 埋立てが本格的に行われ始めたのは1921年(大正10)に公有水面埋立法が制定されてからで、これは、重化学工業化が進められるにしたがい、原材料や製品の大量輸送を安価な海上輸送に依存することが有利となったからである。第二次世界大戦後においても四大工業地帯をはじめとして、1962年(昭和37)以降の新産業都市や工業整備特別地域の約半数も、それぞれの地域の港湾を中核として埋立てにより工業用地を造成し、工業化を促進してきている。近年の傾向としては、都市への人口集中の激化に伴い、都市の再開発用地、住宅用地を提供するため、埋立てが行われるようになってきている。日本の埋立てによる造成面積は1954年以降で約5万ヘクタールに達した。第二次世界大戦後の埋立てで著名なものは、工業用地では東京、千葉、川崎、横浜、堺(さかい)、泉北、名古屋など、住宅・再開発用地では大阪南港のポートタウン、神戸のポートアイランドなどである。これらによって確立された技術は、韓国、台湾、東南アジアに輸出されている。
 しかし一方において、臨海部への重化学工業の集中は沿岸域の環境汚染を激化させ、1970年ころには深刻な状況となった。このため、同年には海洋汚染防止法、水質汚濁防止法などが制定されて規制措置が強化されるとともに、1974年には公有水面埋立法の改正が行われて、埋立地の計画、造成やその利用に関して、厳しい条件が課せられることになった。これらの措置によって沿岸域の環境は徐々に好転しつつある。[堀口孝男]

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世界大百科事典内の埋(め)立ての言及

【干拓】より

…海や湖沼の水面や低湿地などを堤防で締め切って内部を排水し,新たに農地などの陸地を造ること。干拓という用語は1914年の耕地整理法によって定義され,それ以前は埋築,埋立てと混用されていた。造成された土地を干拓地といい,一般に外水面よりも低い。…

【公有水面】より

…したがって,公共の用に供されている水面であっても,水面下の土地の所有権が私人に属する場合のように,国の所有に属しないものや,国の所有に属する水面であっても,公共の用に供されていないものは,ここでいう公有水面にはあたらない。他の法令や慣習により,公有水面に関して,その占用権や漁業権などが成立するが,公有水面の埋立て(干拓を含む)については,原則として,公有水面埋立法が規律している。同法によれば,公有水面の埋立てをしようとする者は,都道府県知事の免許を受けなければならず,埋立工事の竣工後,都道府県知事の竣工認可を受け,この認可の告示の日に,その埋立地の所有権を取得する。…

【土地造成】より

…しかし,自然の地形のままでは使いにくいので,高いところを掘削,切土し,その土砂を運搬し,低いところに盛土し,整地して人間が使いやすい平らな用地として整備することが必要となる。このようにして用地を得ることを土地造成といい,このうち水底の土砂の掘削を浚渫(しゆんせつ),水面・湿地帯の盛土を埋立て,また,湿地や干満差のある遠浅の海を堤防で締め切り水位を下げて土地とすることを干拓という。 土地造成は,その用途を明確にして安い費用で使いやすいように仕上げることが必要である。…

※「埋(め)立て」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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