基本振動(読み)キホンシンドウ

デジタル大辞泉 「基本振動」の意味・読み・例文・類語

きほん‐しんどう【基本振動】

振動体の固有振動うち、もっとも振動数が小さい振動。高調波に対する基本波も指す。

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精選版 日本国語大辞典 「基本振動」の意味・読み・例文・類語

きほん‐しんどう【基本振動】

〘名〙 振動体の考えられる振動の中で振動数が最小の振動。原振動。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「基本振動」の意味・わかりやすい解説

基本振動
きほんしんどう

両端を固定した弦の振動には、多数基準振動が生ずるが、振動数最低の振動においては、波長は弦の長さの半分に等しい。この振動を弦の基本振動とよぶ。弦の基準振動には、この基本振動の振動数の2倍、3倍、……など整数倍の振動数をもち、波長が基本振動の波長の2分の1、3分の1、……など整数分の1に等しい振動も生ずる。これらの振動は倍振動とよばれる。弦の横振動に限らず、管の中の空気や棒の縦振動の基準振動においても、基本振動、倍振動が生ずる。

[飼沼芳郎]


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化学辞典 第2版 「基本振動」の解説

基本振動
キホンシンドウ
fundamental vibration

分子振動スペクトルにおいて,基底状態,すなわちすべての振動量子数vi が0に等しい振動準位から,vi のうちの1個だけが1で,ほかはすべて0であるような励起状態への遷移に伴うスペクトル線をいう.その振動数は νi0 で表される.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「基本振動」の意味・わかりやすい解説

基本振動
きほんしんどう
fundamental vibration

固有振動数が倍数関係にある固有振動なかで,最小の振動数をもつ単振動。基本振動の整数倍の振動数をもつ固有振動は倍振動と呼ばれる。弦の振動は基本振動と多数の倍振動との合成とみなすことができ,これを調和解析という。

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改訂新版 世界大百科事典 「基本振動」の意味・わかりやすい解説

基本振動 (きほんしんどう)

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世界大百科事典(旧版)内の基本振動の言及

【固有振動】より

…図からわかるように弦の固有振動は,弦の上に生ずる定常波で両端が節になっているものにほかならない。またこのようにいくとおりもの固有振動がある場合には,その中で振動数がもっとも低いものを基本振動fundamental vibration,その他を倍振動という。実際に物体が振動する際には,一般に基本振動といくつかの倍振動が重なり合った振動が起こる。…

※「基本振動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」