壬生の花田植(読み)みぶのはなだうえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「壬生の花田植」の意味・わかりやすい解説

壬生の花田植
みぶのはなだうえ

広島県北西部,北広島町壬生(みぶ)で 6月上旬に行なわれる田植え行事。中国山地には中世の大がかりな田植えの風俗が残っており,その代表的なものの一つ。元は,一般の田植えに先立って,選ばれた神田を豊作祈願をこめて太鼓や歌で囃しながら共同で植えた行事。大田植え囃子田はやしだ),鼓田(つづみだ),供養田植えなどとも呼ばれた。ウシに飾り鞍を置き,を引いて代掻をする。次いで田楽団が田に入る。太鼓打ちに銅拍子(どびょうし),笛の囃子で,音頭とりのサンバイと早乙女田唄をかけあいでうたいながら,早乙女が一斉に苗を植えていく。田植えがすむと,田植えが終わったことを祝う「サナブリ」が行なわれる。1976年国の重要無形民俗文化財指定。2011年世界無形遺産登録された。

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事典 日本の地域遺産 「壬生の花田植」の解説

壬生の花田植

(広島県山県郡北広島町)
無形文化遺産」指定の地域遺産(2011(平成23)年)。
その年の稲作の無事と豊作を祈願する伝統行事である。毎年6月第一日曜日、市街地に程近い田を会場に、代掻き、苗取り、田植えなどを行って、代掻きは、美しい鞍や艶やかな玉飾りなどをつけた10頭以上の飾り牛により行われる。重要無形民俗文化財(風俗慣習・生産生業)

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デジタル大辞泉プラス 「壬生の花田植」の解説

壬生の花田植

広島県山県郡北広島町壬生に伝わる民俗行事。毎年6月に行われる。豪華な刺繍をした布や金色の花鞍をつけた「飾り牛」による代掻きが行われた後、早乙女が囃子にあわせて田植歌を歌いながら田植をする。1976年、国の重要無形民俗文化財に指定。2011年、ユネスコの無形文化遺産に登録。

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