六訂版 家庭医学大全科 「声帯ポリープ」の解説
声帯ポリープ
せいたいポリープ
Vocal fold polyp
(のどの病気)
どんな病気か
声帯に生じる炎症性の
原因は何か
一過性の声の乱用が原因といわれています。カラオケ、怒鳴り声、演説などの急激な発声が誘因となり、声帯粘膜の血管が破れて内出血を起こし、ポリープを形成するという説が有力です。
症状の現れ方
声がれ(
検査と診断
間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で声帯を観察し、ポリープを確認することで容易に診断できます。
治療の方法
声帯ポリープができたばかりの時(新鮮例)は、自然に消えてなくなる可能性もあります。また、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入治療により、ポリープがなくなることもあります。しかし、これらの治療に反応しない時はポリープを切除する手術が必要になります。
手術は、一般的には入院のうえ、全身麻酔をかけ、喉頭顕微鏡下手術(ラリンゴマイクロサージェリー)として行われます。全身麻酔が不可能な場合や、入院を希望しない場合などは、外来でファイバースコープを用いて摘出することもあります。また、この手術のあとには声帯の傷の安静のために、1週間前後の沈黙期間を要します。
声帯ポリープは悪性化はしませんが、まれにポリープのような外観のがんがあるので、摘出されたポリープは病理組織検査で、悪性化の有無をチェックします。
病気に気づいたらどうする
声をなるべく使わないようにして、のどの安静を心がけます。それでも2週間で改善しなければ、耳鼻咽喉科を受診してください。喉頭がんなどの他の疾患がないかどうか確かめます。
塩谷 彰浩
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報