声曲類纂(読み)セイキョクルイサン

デジタル大辞泉 「声曲類纂」の意味・読み・例文・類語

せいきょくるいさん【声曲類纂】

江戸後期の音楽書。5巻6冊。斎藤月岑さいとうげっしん著。天保10年(1839)成立、弘化4年(1847)刊。浄瑠璃中心に近世音曲の歴史曲目・演奏者の伝記などを述べたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「声曲類纂」の意味・読み・例文・類語

せいきょくるいさん【声曲類纂】

  1. 江戸後期の音曲書。五巻六冊。斎藤月岑編著。天保一〇年(一八三九)成立、弘化四年(一八四七)刊。明治二二年(一八八九増補版を刊行。浄瑠璃を中心とする近世音曲の歴史を、一〇九種の書を引用絵図模写を多くまじえて編纂したもの。浄瑠璃史に関する江戸の著述として最も詳密な書。

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改訂新版 世界大百科事典 「声曲類纂」の意味・わかりやすい解説

声曲類纂 (せいきょくるいさん)

浄瑠璃を中心とする江戸時代音楽史の書。編者斎藤月岑げつしん)。1847年(弘化4)刊。5巻6冊。宮・商・角・徴(ち)・羽(う)の五音にちなみ5巻に構成しているが,巻之壱(宮)は上下2冊になっている。その後1899年余人による増補版が刊行され,さらに1922年月岑の遺稿補遺として加え,5巻7冊として出版。内容は冒頭に浄瑠璃総系図と引用書目を掲げ,平家物語,浄瑠璃の成立,小野お通(おののおつう)や三味線にふれ,以下総系図に従って歴史を叙述する。義太夫を主とした京坂の浄瑠璃と江戸諸浄瑠璃を中心に,小唄長唄にも一部ふれている。太夫系譜と事跡に焦点をあわせて,作者,三味線,劇場などを付随して述べている。258種の資料を駆使して,2200名の人物,2000の曲目という膨大な記載量を誇る空前の音楽史書となっている。古板本挿絵の再録,長谷川雪堤らの図絵を多数のせて理解を助けている。〈岩波文庫〉に収録。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「声曲類纂」の意味・わかりやすい解説

声曲類纂
せいきょくるいさん

日本音楽の文献。弘化4 (1847) 年斎藤月岑 (げっしん) 著。長谷川雪堤画。日本の音階名によって巻を分け,宮 (2冊) ,商,角,徴,羽の5巻6冊から成る。その後増補訂正した『声曲類纂補遺』および 1889年後人の増補による『声曲類纂増補』がある。浄瑠璃を中心とした江戸時代の声曲に関する歴史,系譜,作者,曲目などを収める。江戸長唄に関しては簡略に過ぎるし,地歌箏曲などはほとんど無視されているが,記事の豊富な点では江戸時代の類書中最大の音楽文献といえる。

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百科事典マイペディア 「声曲類纂」の意味・わかりやすい解説

声曲類纂【せいきょくるいさん】

邦楽の本。浄瑠璃を中心に,近世邦楽の各種目の略史,曲目,関係者などを考証的に述べ,挿画も多い。斎藤月岑(げっしん)著。1839年成立。明治に増補版刊行。

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