日本大百科全書(ニッポニカ) 「大瀬甚太郎」の意味・わかりやすい解説
大瀬甚太郎
おおせじんたろう
(1865―1944)
教育学者。加賀国(石川県)金沢に生まれる。1889年(明治22)東京帝国大学哲学科卒業。第五高等中学校教授、東京高等師範学校教授を経て、東京文理科大学(現、筑波(つくば)大学)教授、同学長となる。初め心理学、西洋史の研究から出発したが、教育学へ転じ、ヘルバルト派教育学に拠(よ)りつつ、包括的な理論を示した。また、欧米教育史の研究にも先駆的な業績を残し、堅実な学風で知られている。主著に『教育学』(1891)、『欧洲(おうしゅう)教育史』(1917)がある。
[三原芳一]
『藤原喜代蔵著『明治・大正・昭和教育思想学説人物史 第1巻 明治前期篇』(1942・東亜政経社)』