大牢(読み)タイロウ

デジタル大辞泉 「大牢」の意味・読み・例文・類語

たい‐ろう〔‐ラウ〕【大×牢/太×牢】

中国で、天子社稷しゃしょくを祭るときの、牛・羊・豚などの供え物。
りっぱな料理。ごちそう。
「―の滋味、煮焼て一鍋三百銅」〈魯文安愚楽鍋
江戸時代、江戸小伝馬町の牢で戸籍のある庶民犯罪者を入れた牢。

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精選版 日本国語大辞典 「大牢」の意味・読み・例文・類語

たい‐ろう‥ラウ【大牢・太牢】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国で、天子が社稷(しゃしょく)をまつる時の供物で、牛・羊・豚の三つが備わったもの。羊・豚の二つは少牢という。また一説に、牛を供えるのを大牢、羊を供えるのを少牢という、とも。神に供える最高の贄(にえ)
    1. [初出の実例]「用三牢とは、祠るときに、大牢中牢少牢の三を用たぞ。大牢は、牛を云ぞ。少牢は羊を云とあるほどに、中牢を豕を云たしものぞ」(出典:史記抄(1477)四)
    2. [その他の文献]〔礼記‐王制〕
  3. 転じて、りっぱな料理。盛大な膳部。
    1. [初出の実例]「先酒を勧めんとしけるに、大窂(ラウ)の具へを為し、山海の珍を尽し」(出典太平記(14C後)二八)
    2. [その他の文献]〔史記‐項羽本紀〕
  4. 江戸時代、江戸の小伝馬町の牢で、人別帳にのっている有宿男子の被疑者を収容した牢舎
    1. [初出の実例]「一大牢は宿有之者、二間牢は宿無之者」(出典:牢獄秘録(17C中)大牢二間牢、入牢者之事(古事類苑・法律五〇))

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普及版 字通 「大牢」の読み・字形・画数・意味

【大牢】たいろう

太牢

字通「大」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の大牢の言及

【牢屋】より

…練塀と堀に囲まれた約2600坪余の敷地の中には,獄舎のほか,囚獄(牢屋の長)石出帯刀(たてわき)や牢役人の住居・詰所(つめしよ),死刑場,拷問場などが付属していた。獄舎には旗本(ただし500石以上は大名等に預ける)や格式の高い神官・僧侶を収監する揚座敷(あがりざしき),御家人・藩士・神官・僧侶等を入れる揚屋(あがりや),庶民を収容する狭義の牢,すなわち大牢(たいろう),二間牢(にけんろう),百姓牢の区別があった。女性は全部揚屋の一つに集め,これを女牢と称した。…

※「大牢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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