大蔵寺(読み)だいぞうじ

日本歴史地名大系 「大蔵寺」の解説

大蔵寺
だいぞうじ

[現在地名]福島市小倉寺 拾石

経塚きようづか(別称小倉寺山)の南山腹にある。宝城山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。もと米沢法泉ほうせん寺末。寺伝によると、行基が大蔵寺村(阿武隈川西岸)に丈六の千手観音ならびに千体仏を安置し、弘仁年間(八一〇―八二四)舟岡が開眼供養して信達一千八〇〇坊の首位としたと伝える。一説には徳一開基、元弘年中(一三三一―三四)北畠顕家が中興したともいう。


大蔵寺
おおくらでら

[現在地名]大宇陀町大字栗野

栗野くりの集落から約一キロ西方の山間にある。雲管山医王いおう院と号し、真言宗豊山派。本尊薬師如来。本山格的存在で中世には一八の末寺をもち、山内に六坊を有していた。草創は明らかでないが、所蔵する仏像などから平安前期と考えられる。本堂以外に大師堂・弁事堂・独鈷蔵・千体地蔵堂・鎮守社(六所明神)などがある。本堂は五間四面の寄棟造・柿葺で、密教寺院本堂の形式。大師堂は三間二間の宝形造・柿葺。ともに鎌倉中期の建立で、国指定重要文化財。本尊木造薬師如来立像(平安後期)・木造天部形立像(平安後期)は国指定重要文化財。木造地蔵菩薩立像(平安後期)・木造地蔵菩薩坐像(嘉禎三年銘)・絹本著色聖徳太子絵伝(室町時代)・絹本著色阿弥陀聖衆来迎図は県指定文化財。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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