朝日日本歴史人物事典 「大谷広右衛門(初代)」の解説
大谷広右衛門(初代)
生年:寛文6(1666)
元禄期の江戸の歌舞伎役者。俳名幡風。役者の百科事典『新刻役者綱目』(1771)に「大谷氏の最初にて江戸根生の敵役の開山」とある。広次,友右衛門など大谷姓を名乗る役者の系統の開祖に当たり,敵役という役柄の元祖とされる役者である。元禄初年から江戸の人気役者として活躍し,恐ろしいなかにもおかしみを混じえた演技を得意とした。2代目はその門弟で,「はなったらし」の異名から窺えるように,これも滑稽味のある敵役として人気があった。以後,広右衛門の名は明治までに6代を数えるが,いずれも敵役の役者である。<参考文献>『日本庶民文化史料集成』6巻
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報