天藍石(読み)てんらんせき(その他表記)lazulite

最新 地学事典 「天藍石」の解説

てんらんせき
天藍石

lazulite

化学組成MgAl2(PO42OH2鉱物単斜晶系,空間群P21/c, 格子定数a0.7153nm, b0.7278, c0.7233, β120.54°, 単位格子中2分子含む。とがった錐状結晶で,{100}で双晶が普通。また粒状~塊状集合。濃らん青~明青色,透明~半透明で,ガラス光沢劈開{110}に明瞭,{101}に不明瞭。硬度5.5~6,比重3.10。薄片では無~淡青~青色,多色性あり。屈折率α1.604~1.626, β1.633~1.654, γ1.642~1.663, 2V(-)64°~77°, 鉄の含有量でかなり異なる。光分散vr弱。Fe>Mgの鉄天らん石と固溶体をつくる。また同構造のCuFe23+(PO42(OH)2(hentschelite),Fe2Fe23+(PO42(OH)2(barbosalite),ZnFe32+(A5O42(OH)2(wilhelmkleinite)とで天らん石族を形成。ペグマタイトアルミニウムに富む変成岩,堆積岩中の脈などに産する。日本では熱水変質でできたろう石鉱床中(栃木県那須塩原市百村)に少量産する。名称は,青色から。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天藍石」の意味・わかりやすい解説

天藍石
てんらんせき
lazulite

美しい青色の含水リン酸塩鉱物。アルミニウム分に富む広域変成岩、熱水交代性粘土鉱床、ある種のペグマタイト中に産する。自形はやや変形した擬斜方複錐(すい)あるいは板状になることもあるが、多く粒状である。飾り石として用いられることもある。日本では栃木県那須塩原(なすしおばら)市百村(もむら)の粘土鉱床中にごく少量産し、微細な両錐形の結晶をなす。石英カオリナイトなどと共存する。英名は、青い石を意味するドイツ語Lazursteinにちなむ。

加藤 昭 2017年12月12日]


天藍石(データノート)
てんらんせきでーたのーと

天藍石
 英名    lazulite
 化学式   MgAl2[OH|PO4]2
 少量成分  Fe2+,Fe3+
 結晶系   単斜
 硬度    5.5~6
 比重    3.14
 色     淡青~深青
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天藍石」の意味・わかりやすい解説

天藍石
てんらんせき
lazurite

単斜晶系の鉱物。 (Mg,Fe)Al2(PO4)2(OH)2 。マグネシウムが鉄より多い。硬度 5.5~6,比重 3.1~3.4。青色で多色性が強い。ケイ岩中に粒状に散在したり,石英脈に自形の結晶として産する。黄鉄鉱の細かい結晶が入った青色の天藍石はラピス・ラズリと呼ばれる宝石となる。深青色の地と黄白金属光沢の対照が美しいが,硬度5~6で,石英より軟らかいのが欠点とされている。

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