太陽炉(読み)タイヨウロ

デジタル大辞泉 「太陽炉」の意味・読み・例文・類語

たいよう‐ろ〔タイヤウ‐〕【太陽炉】

太陽光レンズ反射鏡で集中し、高熱を得る装置。数千度の高温を発生することができ、発電調理などに利用される。また、オリンピック聖火ギリシャオリンピア太陽炉を用いて採火される。

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化学辞典 第2版 「太陽炉」の解説

太陽炉
タイヨウロ
solar furnace

凹面鏡またはレンズを用いて太陽放射熱を集め,その焦点に置かれた試料を照射加熱する炉.多くの場合放物面鏡が使われ,極短時間に試料の温度を上げることができ,最高約4×104 ℃ までの高温が定常的に得られる.しかし,光学系に入射する太陽光線は厳密には平行光線でないため,焦点に結ばれる太陽像は一定の広がりをもつ像となり,焦平面上で反射鏡の光軸に垂直方向で最大径を示す部分が加熱面積になる.形式には,太陽光線を放物面鏡により直接反射して試料に当てる直達式と,太陽光線をヘリオスタット平面鏡で一度反射し,その後,放物面鏡で光線を試料に当てるヘリオスタット式がある.ヘリオスタット式には,光軸を水平にしたものや垂直にしたものがある.太陽炉は1955年ころから各国で開発された.大気中,減圧あるいは酸素雰囲気下で高温加熱を行う場合は太陽炉が有利である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太陽炉」の意味・わかりやすい解説

太陽炉
たいようろ
solar furnace

太陽の光を放物面反射鏡やレンズ,平面鏡などの光学系で局所に集中させて,短時間に超高温をつくり出す装置。太陽炉では割合簡単に 3000℃程度の高温が得られる。集熱方式には,集光式と非集光式がある。集光式は反射鏡やレンズを用いる方式で,ヘリオスタットという太陽を自動的に追尾する平面鏡を用いる。一方,非集光式は,平板型と真空ガラス管型とがある。

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百科事典マイペディア 「太陽炉」の意味・わかりやすい解説

太陽炉【たいようろ】

太陽光を大きな放物面鏡や多数の鏡で集めて高温を得る装置。3000〜3500℃の温度が短時間で得られ,また加熱雰囲気の制御が容易で,不純物の混入の恐れのないことなどの利点があり,高温での物性,化学反応,高温材料などの研究に利用される。

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