奏する(読み)ソウスル

デジタル大辞泉 「奏する」の意味・読み・例文・類語

そう・する【奏する】

[動サ変][文]そう・す[サ変]
天子に申し上げる。奏上する。「啓する」に対していう。「政務を―・する」
音楽をかなでる。楽器などを演奏する。「ピアノを―・する」
成果をもたらす。「非常手段が功を―・する」
[可能]そうせる
[類語](1申し上げる申す啓する/(2奏でる弾く爪弾く囃すかき鳴らす弾ずる

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精選版 日本国語大辞典 「奏する」の意味・読み・例文・類語

そう‐・する【奏】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]そう・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 天皇、または上皇法皇に申しあげる。朝廷に奏上する。特に天皇に申し上げる場合に用いて、「啓する」と区別する。
    1. [初出の実例]「かかれば、心ばせも世の人に似ず侍ると奏せさす」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「文部の屋栖野と云ふ人有り、此事を天皇に奏する、天皇、敢て不信給は(しんじたまはず)」(出典:今昔物語集(1120頃か)一一)
  3. 音楽をかなでる。舞楽をする。演奏する。
    1. [初出の実例]「三献之後、日行事公卿令楽、楽所於西門内、奏乱声三度、訖奏参入音声〈略〉舞訖、奏罷出音声退出」(出典:新儀式(963頃)四)
    2. 「文人詩を奉り、伶人楽を奏して遷幸なし奉る」(出典:平家物語(13C前)一)
  4. ( 「結果を奏す」「功を奏す」の形で用い ) 成果や功績をもたらす。なしとげる。うまくしとげる。
    1. [初出の実例]「及極て能く真正の志気あるものは、極大の功績を奏する(〈注〉シアゲル)ことなり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉四)

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