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申す マオス

デジタル大辞泉の解説

まお・す〔まをす〕【申す】

[動サ四]もうす」の古形
「たらちねの母に―・して時も過ぎ月も経ぬれば」〈・三六八八〉
「天飛ぶや鳥にもがもや都まで送り―・して飛び帰るもの」〈・八七六〉

ま・す【申す】

[動サ四]動詞「もうす」の音変化。または、「う」の無表記か。
「一の御子敦仁の親王と―・しけるぞ」〈栄花・月の宴〉
「世を忍ぶお身なれば一所には置き―・されず」〈浄・手習鑑

もう・す〔まうす〕【申す】

[動サ五(四)]《「まおす」の音変化》
主として会話に用い、聞き手に対し、「言う」を改まって丁重に表現する丁寧語。
㋐「言う」対象が聞き手(または尊者)の場合には、対象を敬う気持ちも残るが、現在、対象を敬う謙譲語は「申し上げる」である。「昨日、先生に―・したとおりです」
㋑単に「言う」を改まり丁重にいう場合。この場合にも、謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生が申された」のような言い方は適切でないとされる。「父がこのように―・しております」「私は鈴木と―・します」「一口に日本と―・しましても」
1のへりくだる気持ちが失せて、「言う」を改まり重々しくいう。「そうは―・しておらん」
動作の対象を敬う謙譲語。
㋐「言う」の謙譲語。申し上げる。古くは、改まって言上する場合に多く用いられた。
「(帝ニ)翁(おきな)のありさま―・して」〈竹取
㋑神仏、朝廷などにお願い申し上げる。また、所望申し上げる。
「母君の御行くへを知らむと、よろづの神仏に―・して」〈・玉鬘〉
「いけずき(=馬ノ名)を―・さばやとは思へども」〈平家・九〉
㋒その人の名前・官位などを、人々が…と申し上げる。
「田邑(たむら)の帝と―・す帝おはしましけり」〈伊勢・七七〉
㋓「する」「なす」の謙譲語。…してさしあげる。「御助勢を―・しましょう」
「路次でお茶なりと―・さう物を」〈虎明狂・餅酒〉
(補助動詞)動詞の連用形、現代語では「お」などを冠した動詞の連用形や動作をいう名詞に付いて、謙譲の意を表す。「お送り―・します」「御相伴―・します」
「文覚が流さるる国へ迎へ―・さんずるものを」〈平家・一二〉
[可能]もうせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

まうす【申す】

( 動四 )
もうす

まおす【申す】

( 動四 )
〔上代語。「まうす」の古形〕
もうす 」に同じ。 「万代にいましたまひて天の下-・したまはね朝廷みかど去らずて/万葉集 879
(補助動詞) 動詞の連用形に付いて、その動作の対象を敬う意を添える。…し申しあげる。 「天飛ぶや鳥にもがもや都まで送り-・して飛び帰るもの/万葉集 876」 → もうす

ます【申す】

( 動四 )
〔「まうす」の転。一説に、「う」の無表記とも〕
もうす(申) 」に同じ。 「醍醐の聖帝と-・して/栄花 月の宴」 「天照御神を念じ-・せ/更級」

まをす【申す】

( 動四 )
まおす(動四)

もうす【申す】

( 動五[四] )
〔上代語「まをす」の転〕
「言う」の謙譲語。動作の及ぶ相手を敬っていう。 「私は田中と-・します」 「父がこう-・しました」
「言う」の丁寧語。聞き手を敬っていう。 「昔から『急がば回れ』と-・しますが…」
「言う」の尊大語。下位者が「言う」行為を上位者が低めて表現する。 「冗談を-・すな」 「名を-・せ/狂言・昆布柿」
「願う」「請う」などの謙譲語。
神仏にお願い申し上げる。 「母君の御行くへを知らむと、よろづの神仏に-・して/源氏 玉鬘
所望申し上げる。 「いけずきを-・さばやとは思へども/平家 9
「する」「行う」の謙譲語。 「かねてぞんじたらば、路次でお茶なりと-・さう物を/狂言・餅酒」
(補助動詞) 「お」「御」を冠した動詞の連用形や動作性の体言の下に付いて、動作の対象に対する敬意を表す。…いたす。もうしあげる。 「車でお宅までお送り-・します」 「会合への出席は御遠慮-・します」 〔 は、現代語では「ます」を伴って用いるのが普通〕
[可能] もうせる

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

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