申す(読み)マオス

  • ▽申す
  • まお・す〔まをす〕
  • ま・す
  • もう・す〔まうす〕

デジタル大辞泉の解説

[動サ四]もうす」の古形
「たらちねの母に―・して時も過ぎ月も経ぬれば」〈・三六八八〉
「天飛ぶや鳥にもがもや都まで送り―・して飛び帰るもの」〈・八七六〉
[動サ四]動詞「もうす」の音変化。または、「う」の無表記か。
「一の御子敦仁の親王と―・しけるぞ」〈栄花・月の宴〉
「世を忍ぶお身なれば一所には置き―・されず」〈浄・手習鑑
[動サ五(四)]《「まおす」の音変化》
主として会話に用い、聞き手に対し、「言う」を改まって丁重に表現する丁寧語。
㋐「言う」対象が聞き手(または尊者)の場合には、対象を敬う気持ちも残るが、現在、対象を敬う謙譲語は「申し上げる」である。「昨日、先生に―・したとおりです」
㋑単に「言う」を改まり丁重にいう場合。この場合にも、謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生が申された」のような言い方は適切でないとされる。「父がこのように―・しております」「私は鈴木と―・します」「一口に日本と―・しましても」
1のへりくだる気持ちが失せて、「言う」を改まり重々しくいう。「そうは―・しておらん」
動作の対象を敬う謙譲語。
㋐「言う」の謙譲語。申し上げる。古くは、改まって言上する場合に多く用いられた。
「(帝ニ)翁(おきな)のありさま―・して」〈竹取
㋑神仏、朝廷などにお願い申し上げる。また、所望申し上げる。
「母君の御行くへを知らむと、よろづの神仏に―・して」〈・玉鬘〉
「いけずき(=馬ノ名)を―・さばやとは思へども」〈平家・九〉
㋒その人の名前・官位などを、人々が…と申し上げる。
「田邑(たむら)の帝と―・す帝おはしましけり」〈伊勢・七七〉
㋓「する」「なす」の謙譲語。…してさしあげる。「御助勢を―・しましょう」
「路次でお茶なりと―・さう物を」〈虎明狂・餅酒〉
(補助動詞)動詞の連用形、現代語では「お」などを冠した動詞の連用形や動作をいう名詞に付いて、謙譲の意を表す。「お送り―・します」「御相伴―・します」
「文覚が流さるる国へ迎へ―・さんずるものを」〈平家・一二〉
[可能]もうせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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