囃す(読み)ハヤス

デジタル大辞泉 「囃す」の意味・読み・例文・類語

はや・す【×囃す】

[動サ五(四)]《「栄やす」と同語源》
手を打ったり、声を出したりして歌舞調子をとる。「手拍子を打って―・す」
囃子はやしを奏する。「笛太鼓で―・す」
声をそろえてあざけったり、ほめそやしたりする。「弱虫あいと―・す」「やんやと―・されて得意になる」
取引市場で、値を上げる材料として言いたてる。「不況に強い食品株が―・される」
[可能]はやせる
[類語](2奏でる奏する弾く爪弾くかき鳴らす弾ずる/(3やじるからかう冷やかす茶化すおひゃらかすおちゃらかすふざける混ぜ返すおちょくるなぶるもてあそぶ玩具おもちゃにする野次を飛ばす洒落しゃれのめす半畳を入れる茶茶を入れる揶揄やゆ玩弄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「囃す」の意味・読み・例文・類語

はや・す【囃】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「はやす(栄)」と同語源 )
  2. 声を出したりして曲の調子を引き立てる。
    1. [初出の実例]「詠(うた)ひ吹き叩き増て、急に詠ひ早す」(出典今昔物語集(1120頃か)二八)
  3. 囃子(はやし)を奏する。
    1. [初出の実例]「よろづのがく、笛のねをはやし、もろもろのおもしろき声をととのへたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  4. 調子にのせる。おだてあげる。すかす。
    1. [初出の実例]「我と知らんはいとほしくて、若うはやれ物をはやして言はせて笑ふに」(出典:落窪物語(10C後)二)
  5. 大きな声でほめたり、あざけったりして騒ぐ。言いたてる。盛んにいう。声をそろえていう。いいはやす。
    1. [初出の実例]「法成就の池にこそはとはやすは、神泉苑の池をいふなり」(出典:徒然草(1331頃)一八〇)

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