申上げる(読み)モウシアゲル

デジタル大辞泉 「申上げる」の意味・読み・例文・類語

もうし‐あ・げる〔まうし‐〕【申(し)上げる】

[動ガ下一][文]まうしあ・ぐ[ガ下二]
言う」の謙譲語。うやうやしく言う。古くは、身分格差のある目上言上する意であったが、現在では、改まり丁重にいう「申す」に対し、言う対象を敬う語として一般に用いられる。「謹んで初春のお慶びを―・げます」
「お」や「」の付いた自分行為を表す体言に付けて、その行為の対象を敬う。…してさしあげる。「お答え―・げます」「御相談―・げたく参上致しました」
[類語]申す啓する奏する言う話すしゃべる語る述べる発言する口を利く口に出す口にする吐く漏らす口走る抜かすほざくうそぶく言い出すおっしゃる仰せられるのたましゃべくる物言う伝える告げる物語る打ち明ける明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける口に上る口の端に掛かる口を開く口を切る申し述べる言上ごんじょうする

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精選版 日本国語大辞典 「申上げる」の意味・読み・例文・類語

もうし‐あ・げるまうし‥【申上】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]まうしあ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. ( 「言う」の謙譲語 ) 目上の人に向かって、うやうやしくいう。言上(ごんじょう)する。上申する。元来は、公的に身分格差が大きい場合などに用いられた。現在では「申す」が、「言う」などの丁重な表現に多用されるようになったため、言う対象を敬う気持を強く表わすのに用いられる。
    1. [初出の実例]「河内の国の司、万の死ぬる状を以て朝庭(みかと)に牒上(マウシアク)」(出典日本書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓))
  3. 目上の人のために、ある行為をしてさしあげる。多く、「お」や「御」の付いた自分の行為を表わす体言の下に付けて、その行為の対象を敬う。
    1. [初出の実例]「ゴホウコウ mǒxi(マウシ) aguetai(アゲタイ)」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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