出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
生没年不詳。中国、後漢(ごかん)の僧、仏典翻訳者。安息(あんそく)国(パルティア)の太子として生まれたが、王位を弟に譲って仏教に志した。148年ころ洛陽(らくよう)に至り、以後20余年間に30余部の経典を訳出した。当時の安息国は小乗の説一切有部(せついっさいうぶ)が盛んで、安世高もその流れを受け、禅観経典(『安般守意経(あんぱんしゅいぎょう)』『陰持入経(おんじにっきょう)』『大道地経(だいどうじきょう)』など)、阿含(あごん)経典(『人本欲生経(にんぽんよくしょうきょう)』『七処三観経(しちしょさんかんきょう)』『八正道経(はっしょうどうきょう)』など)、阿毘曇(あびどん)教理書(『阿毘曇五法経(ごほうきょう)』など)を翻訳紹介した。最初の本格的訳経者として、後世高く評価された。
[末木文美士 2017年1月19日]
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…だが神の機嫌をそこなうと,船が顚覆するなどのたたりがあり,そのため,湖中に人身犠牲がささげられることさえあった。後漢時代に中国に渡来した西域僧である安世高の伝記には,かつて安世高とともに仏道修行にはげんでいたものが大蛇に姿をかえたのが廟神の正体であるといい,安世高に絹1000匹と宝物のかずかずを喜捨して悪形から抜けだすことをもとめて以後,霊威はなくなったと伝える。しかし,六朝時代においても,宮亭湖廟神に関する伝説はとぼしくない。…
※「安世高」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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