安乗崎(読み)アノリザキ

関連語 灯明台 多く 藤本

日本大百科全書(ニッポニカ) 「安乗崎」の意味・わかりやすい解説

安乗崎
あのりさき

三重県志摩市(しまし)に属し、志摩半島の先端、的矢湾(まとやわん)の入口にある岬。「あのりざき」ともいう。断崖(だんがい)と岩礁に太平洋の荒波が砕ける男性的景観は豪快で、岬端(こうたん)には白い四角の灯台(1872年初点)があり、クロダイの磯(いそ)釣りとともに志摩の観光拠点の一つである。近畿日本鉄道志摩線鵜方(うがた)駅からバスで約25分。岬の南、的矢湾側に安乗の漁港があり、的矢湾観光船も出る。付近はアワビサザエワカメなどをとる海女(あま)漁が盛んで、安乗の人形芝居(国の重要無形民俗文化財)を伝える集落としても知られる。

[伊藤達雄]


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改訂新版 世界大百科事典 「安乗崎」の意味・わかりやすい解説

安乗崎 (あのりざき)

三重県志摩半島東岸,的矢(まとや)湾の湾口南岸にある岬で,北の菅崎に対する。志摩市の旧阿児町の北東端にあたる。安乗岬ともいい,同市の旧大王町波切(なきり)の大王崎と鳥羽市国崎の鎧崎とともに志摩三崎と称される。高さ20mほどの豪壮海食崖と岩礁からなる岬で伊勢志摩国立公園の一部をなす。付近は海の難所江戸時代にも幕府直営の灯台があったが,現在も岬端に1872年(明治5)初点の灯台がある。岬背後の安乗漁港は海女の基地で,県無形文化財の安乗文楽が伝わる。
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百科事典マイペディア 「安乗崎」の意味・わかりやすい解説

安乗崎【あのりざき】

三重県志摩半島東岸,的矢(まとや)湾入口の岬。伊勢志摩国立公園に属し,海食崖と岩礁の豪壮な景観を呈する。安乗崎灯台があり,江戸時代にも幕府直営の灯明台があった。付近の志摩市安乗は海女(あま)が多く,無形文化財安乗文楽が伝わる。
→関連項目阿児[町]

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