波浪によって陸地が侵食されて形成された崖(がけ)あるいは急斜面。海食崖の海側には、波食棚(だな)とよばれる平坦(へいたん)な岩棚や、海食台とよばれる浅い暗礁がみられる。海食崖の下部には、波食窪(くぼ)とよばれるくぼみや、海食洞がうがたれる。海食崖の勾配(こうばい)は岩石の構造や硬さなどによって異なる。海食崖の高さは波の荒い外洋に面した所では大で、波の弱い内湾では小さい。一般に海食崖は新鮮な露岩からなるが、離水した古い海食崖は草や樹木が繁茂する。海食崖の高さは数メートルから数十メートルのものが普通であるが、隠岐(おき)島前(どうぜん)の国賀(くにが)の魔天崖のように258メートルに達するものもある。
[豊島吉則]
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…海浜は前浜(低潮線と高潮線の間)と後浜(高潮線より陸側)に区分され,後浜の陸側の限界を広義の海岸線shore lineまたは沿岸線coastlineとよぶ。海岸は,海岸線(広義)より海側の陸地(海浜)を限定して指す場合と,海浜とその背後の海食崖,砂丘,潟,湿地など,海の作用が影響する陸地を広く指す場合とがある。汀線より海側は,陸に近づいてくる波浪が砕ける地帯(砕波帯)を境界にして,汀線から砕波帯までの外浜(または沿岸帯)と砕波帯より沖合の沖浜とに区分される。…
…海食崖の基部につくられた洞穴。岩石の露出する海岸(岩石海岸)では,おもに波の浸食作用によって崖(海食崖)が形成される。…
※「海食崖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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