海食崖(読み)カイショクガイ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海食崖」の意味・わかりやすい解説

海食崖
かいしょくがい

波浪によって陸地侵食されて形成された崖(がけ)あるいは急斜面。海食崖の海側には、波食棚(だな)とよばれる平坦(へいたん)な岩棚や、海食台とよばれる浅い暗礁がみられる。海食崖の下部には、波食窪(くぼ)とよばれるくぼみや、海食洞がうがたれる。海食崖の勾配(こうばい)は岩石の構造や硬さなどによって異なる。海食崖の高さは波の荒い外洋に面した所では大で、波の弱い内湾では小さい。一般に海食崖は新鮮な露岩からなるが、離水した古い海食崖は草や樹木が繁茂する。海食崖の高さは数メートルから数十メートルのものが普通であるが、隠岐(おき)島前(どうぜん)の国賀(くにが)の魔天崖のように258メートルに達するものもある。

[豊島吉則]


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百科事典マイペディア 「海食崖」の意味・わかりやすい解説

海食崖【かいしょくがい】

海崖とも。波浪の作用によって形成される海岸の急崖。特に波浪が強くかつ海岸線から急に深くなる海岸では,高い海食崖をつくりやすい。基部には節理,断層,硬軟の差に沿って海食が進み海食洞ができることがあり,江の島の岩屋,男鹿半島の孔雀(こうじゃく)ノ窟が有名。
→関連項目海岸段丘海岸地形海食岩石海岸

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最新 地学事典 「海食崖」の解説

かいしょくがい
海食崖

sea cliff

波の侵食によってできる海岸の崖。陸が沈んでその突出部が岬となると,そこに激しい波の攻撃が生じて崖ができる。まず海面近くにノッチがつくられ,これが深くなると上部の岩が崩壊して切り立った高い崖ができる。このときの岩の崩壊は断層とか節理面,層理面に沿って生じやすいので,海食崖は,しばしば岩石の地質構造に従った形をつくる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海食崖」の意味・わかりやすい解説

海食崖
かいしょくがい
sea cliff

海岸に迫る陸地の突出部が波の激しい浸食によって切立った崖になる。海に面したこの種の地形の総称。岩石に硬軟があれば奇形ができやすい。海食崖は海岸地域の景勝地の一要素となる。

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世界大百科事典(旧版)内の海食崖の言及

【海岸】より

…海浜は前浜(低潮線と高潮線の間)と後浜(高潮線より陸側)に区分され,後浜の陸側の限界を広義の海岸線shore lineまたは沿岸線coastlineとよぶ。海岸は,海岸線(広義)より海側の陸地(海浜)を限定して指す場合と,海浜とその背後の海食崖,砂丘,潟,湿地など,海の作用が影響する陸地を広く指す場合とがある。汀線より海側は,陸に近づいてくる波浪が砕ける地帯(砕波帯)を境界にして,汀線から砕波帯までの外浜(または沿岸帯)と砕波帯より沖合の沖浜とに区分される。…

【海食洞】より

…海食崖の基部につくられた洞穴。岩石の露出する海岸(岩石海岸)では,おもに波の浸食作用によって崖(海食崖)が形成される。…

※「海食崖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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