安政金銀(読み)アンセイキンギン

デジタル大辞泉 「安政金銀」の意味・読み・例文・類語

あんせい‐きんぎん【安政金銀】

江戸幕府が主として安政年間に鋳造・発行した金銀貨総称金貨には小判二分金一分金、銀貨には丁銀豆板銀一分銀二朱銀一朱銀がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「安政金銀」の意味・わかりやすい解説

安政金銀 (あんせいきんぎん)

江戸時代安政年間(1854-60)発行の金銀貨幣。1858年(安政5),日米修好通商条約が締結され,そのなかで外国貨幣の同種同量での通用が承認された。幕府は翌6年に貨幣の改鋳を実施し,同年6月に安政小判・同一分金・同二朱銀を,ついで8月に安政一分銀を,さらに12月に安政丁銀・同小玉銀(小粒銀・豆板銀)を発行した。そのほかに,安政3年6月には安政二分金を鋳造した。また安政6年に幕府は洋銀(メキシコ・ドル)に〈改三分定〉の極印を打ち,国内での通用を認めた。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「安政金銀」の解説

安政金銀
あんせいきんぎん

幕末期のペリー来航以降,主として安政期(1854~60)に江戸幕府が鋳造・発行した金銀貨。文政期に始まる小額貨幣化がより進展し,開国にむけて海外との金銀比価格差への対応に翻弄された時期にあたる。小額貨幣は4種改鋳されたが,うち嘉永一朱銀・安政二分金はたんに改鋳益金を得るため鋳造されたものである。最も大量に発行された安政一分銀は洋銀と同質な銀貨を流通させるため,同二朱銀は金銀比価の格差に対応するため鋳造された。基準貨幣の正字小判・一分金は天保小判と同品位で量目のみ2割小型化した。政字丁銀・豆板銀は品位13%で,近世最悪の銀貨となったが,流通量が少なく影響は小さかった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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