ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安芸敬一」の意味・わかりやすい解説
安芸敬一
あきけいいち
[没]2005.5.17. フランス領レユニオン
地震学者。地震の大きさを定量的に表す地震モーメントの概念を展開。地震モーメントは断層の大きさとすべり量,断層の生じた岩石の強度といった要素を考慮した地震の規模を表す量であり,1966年に安芸により初めて導入された。地震研究者はリヒタースケールより信頼できる地震の大きさを表す量であると考えている(→リヒター)。1952年東京大学を卒業,1959年に同大学で博士号を取得。1958~63年カリフォルニア工科大学リサーチフェロー,その後日本に戻り東京大学地震研究所で教鞭をとり,1966~84年マサチューセッツ工科大学地球物理学教授を務めた。1979年にはアメリカ地震学会会長に選ばれ,アメリカ科学アカデミーとアメリカ芸術科学アカデミーの会員でもあった。アメリカ地球物理学連合のボウイ・メダル(2004)など数多くの賞を受賞。亡くなる直前までレユニオンの火山観測所で研究を指導していた。(→モーメントマグニチュード)
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