宝登山神社(読み)ほどさんじんじや

日本歴史地名大系 「宝登山神社」の解説

宝登山神社
ほどさんじんじや

[現在地名]長瀞町長瀞

宝登山(四九七・一メートル)の東麓に位置し、同山山頂には奥宮が鎮座する。日本磐余彦命・火産霊命・大山祇命を祀り、旧県社。当社草創については次のような伝承がある。宝登山山麓の泉で禊をして山頂を目指した日本武尊がその途次猛火に襲われた。この時、山犬が出現して火を鎮めたため、山神(大山祇神)眷属である神犬の守護を知った日本武尊は、山名火止ほど山と名付け、前掲の諸神を祀ったという(秩父郡神社明細帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宝登山神社」の意味・わかりやすい解説

宝登山神社
ほどさんじんじゃ

埼玉県秩父(ちちぶ)郡長瀞(ながとろ)町長瀞に鎮座。祭神神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと)、大山祇神(おおやまづみのかみ)、火産霊神(ほむすびのかみ)を祀(まつ)る。もと宝登山大権現(ごんげん)と称したが、1872年(明治5)に宝登神社、1925年(大正14)に現社名に改称した。縁起によると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷(とうい)平定の途次、皇祖加護を祈らんとして、清泉にて禊(みそぎ)をし、山頂に向かったおり、突然猛火に包まれたが、巨犬が現れて火を鎮めた。この奇瑞(きずい)により当山を火止(ほと)山と名づけ、山犬は山神の神使とされる。また禊をした泉は玉泉(ぎょくせん)として伝わる。山頂に奥宮、山麓(さんろく)に本社を祀る。火伏せの信仰を集め、関東一円に宝登山講が分布する。例祭日は4月3日。特殊神事に御炊上祭(おたきあげまつり)(毎月7日)がある。1898年県社。

[沼部春友]

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デジタル大辞泉プラス 「宝登山神社」の解説

宝登山神社

埼玉県秩父郡長瀞町にある神社。古くは宝登山(ほどさん)大権現と称した。祭神は神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと)(神武天皇)、大山祇神(おおやまづみのかみ)、火産霊神(ほむすびのかみ)。

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世界大百科事典(旧版)内の宝登山神社の言及

【宝登山】より

…全山が長瀞系結晶片岩からなる。東麓にある宝登山神社は火災・盗難よけの神とされ参拝者が多く,奥宮のある山頂からは長瀞の岩畳や秩父盆地の村々,奥秩父の山が一望にできる。神社裏手から山頂までロープウェーが通じ,山頂駅付近の鹿苑や北側山腹の長瀞野猿公苑では,ニホンジカやニホンザルの放飼いが行われている。…

※「宝登山神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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