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実験神経症 じっけんしんけいしょうexperimental neurosis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

実験神経症
じっけんしんけいしょう
experimental neurosis

条件づけられたイヌに対して強い刺激を反復して与えると,条件反射は示さなくなり,拒絶反応や常同行動などを示すようになる。この現象をいう。生理学におけるパブロフの条件反射の実験から見出されたものであるが,人の神経症と同一視できるかどうか疑問もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実験神経症
じっけんしんけいしょう
experimental neurosis

動物が実験的に設定した状況下で示す異常行動についていう。パブロフのイヌにおける条件反射の研究から導入されたものである。おもに刺激差異を狭小にして弁別が困難な状況となった場合や、報酬が期待される状況が遅延禁止されたり、罰に置換されたりする場合に生じる。人間についても同様な実験的研究が行われている。アメリカの心理学者ワトソンがアルバートという少年に対して行った、大きな音(無条件刺激)とネズミ(条件刺激)とを対(つい)にして条件性情緒反応を形成した実験は、その嚆矢(こうし)といえる。アルバートがネズミに触れると恐ろしい大きな音を聞かせ、これを繰り返すうちに明らかに恐怖の情緒反応が形成された。この恐怖反応はネズミだけでなく、ウサギ、イヌ、玩具(がんぐ)のサンタクロースの髭(ひげ)までに一般化した。
 また、条件づけによる実験神経症の形成は、逆条件づけによって、神経症の除去・治療に利用される。たとえば、イギリスの精神分析学者ジョーンズE. Jornes(1879―1958)は、ウサギを恐れていたピーターという少年に、彼が友達と食事をしたり、いっしょに遊んだりするリラックスした状態のときにウサギを見せるとかして、しだいにウサギへの恐怖を軽減することに成功した。実験神経症の形成の研究は、逆に神経症の消去についての行動療法にも多くの知見を提供している。[小川 隆]

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