日本大百科全書(ニッポニカ) 「室内計画」の意味・わかりやすい解説
室内計画
しつないけいかく
室内を対象に設計の基礎となる条件や考え方をまとめる作業をいう。最近では室内はインテリアとよばれるようになったので、インテリア計画ということが多い。ここで計画と設計との関係について述べる。建物が完成するまでには、「企画」「設計」「施工」という過程を経る。企画とは、建物の目的、大きさ、使い方、予算、敷地などの条件を総合的に検討して、設計に対する要求事項をまとめる作業である。設計は「基本設計」と「実施設計」に分かれる。前者は企画にあうように基本的な形を決める作業であり、後者は建物の詳細を決め、設計書をつくる作業である。いいかえると、設計の前段は要求事項にあわせて、建物を具体的な形にまとめる作業であり、後段はその方針に沿って形の詳細を決め、施工者に指示する図面をかく作業である。この前段を普通「計画」といい、後段を狭義の「設計」とよんでいる。以上は建物の全体を例にして説明したが、室内について述べると以下のようである。いまオフィスの会議室を例に取り上げよう。会議の形式、内容、人数、部屋の仕上げ、室内設備、照明設備の条件を決め、またテーブルの形、並べ方、椅子(いす)の種類、敷物などのあり方を決めるのが計画である。次に設計は、この方針に従って、それを具体化するための設計図を作成することになる。
[小原二郎]