苫小牧港(読み)トマコマイコウ

デジタル大辞泉 「苫小牧港」の意味・読み・例文・類語

とまこまい‐こう〔‐カウ〕【苫小牧港】

北海道南部にある港。苫小牧市厚真町あつまちょうにまたがり、特別地方公共団体苫小牧港管理組合が管理する。国際拠点港湾の一。西港区と東港区からなり、西港区は工業港、東港区は物流拠点の役割をもつ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「苫小牧港」の解説

苫小牧港
とまこまいこう

苫小牧市の東、勇払ゆうふつ原野のほぼ中央に位置する西港にしこう区と、苫小牧市東部と厚真あつま町南部に位置する東港区からなる。昭和五六年(一九八一)五月特定重要港湾に指定。管理者は北海道と苫小牧市からなる苫小牧港管理組合。勇払原野砂浜に掘込まれたわが国初の人工港で、昭和三八年四月に西港区の一部が開港。苫小牧の築港構想は大正一三年(一九二四)に発表された道庁技師林千秋の「勇払築港論」に始まり、夕張地方の石炭積出港を造るものであった。昭和一四年道庁が勇払工業港修築計画を策定、各種の調査や試験が行われたが第二次世界大戦で中止。戦後、再び苫小牧工業港計画が北海道総合開発第一次五ヵ年計画の重要項目として取上げられ、同二六年八月の苫小牧工業港の着工となった。この着工は現在の西港区にあたり、港口の東西防波堤を築設、とくに東防波堤は漂砂を抑えるため沖合二キロに延長。東西防波堤間に幅三〇〇メートルの水路を掘削、商港区(幅四五〇メートル、奥行は東九〇〇メートル・西一二〇〇メートル)が海に直角に、さらに工業港区(幅三五〇メートル・奥行五四〇〇メートル)が海岸に並行に掘込まれる計画であった。同三八年四月一日開港前に重要港湾に指定され、商港区の一部が完成し、同月二五日石炭積出の第一船を迎えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「苫小牧港」の解説

苫小牧港

北海道にある港。石狩平野の太平洋南西岸に位置する。1965年7月設立。港湾管理者は、苫小牧港管理組合。国際拠点港湾(2011年4月指定)。全国8箇所の中核国際港湾のひとつ。後背地には大規模工業地帯を形成道内の物流の拠点。港湾区域面積は、14,300ヘクタール。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の苫小牧港の言及

【苫小牧[市]】より

…製造品出荷額では6300億円(1995)をあげ,札幌市に次いで2位を占める。苫小牧港は66年外国貿易港,81年特定重要港湾に指定された。隣接する厚真・早来(はやきた)両町にまたがる地区の苫小牧東部開発計画も進み,電力,自動車などの企業が進出している。…

【北海道】より

… 第2次大戦後の開発で特に注目されたものに苫小牧工業港の造成と青函トンネルの建設があった。1963年に開港した苫小牧港は日本最初の掘込み式港湾で,京浜地方などと北海道中核部とを結ぶ近道をつくり,新工業地帯の形成により北海道の工業化を促進しようとするもので,70年代にはさらに新コンビナート形成を目指す苫小牧東部大規模開発事業も着手された。しかし経済環境は一変して東部開発計画は挫折し,石油備蓄基地への転換もはかられた。…

※「苫小牧港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android