デジタル大辞泉 「寄える」の意味・読み・例文・類語 よそ・える〔よそへる〕【▽寄える/▽比える】 [動ア下一][文]よそ・ふ[ハ下二]1 他の物事にたとえる。なぞらえる。「人の一生を旅に―・える」2 ことよせる。かこつける。口実にする。「付き合いに―・えて酒を飲む」3 関係があるとする。「争へば神も憎ますよしゑやし―・ふる君が憎くあらなくに」〈万・二六五九〉[類語]口実・名目・隠れみの・仮託・かこつける・託する・盾に取る・表向き・表看板・美名・綺麗事・大義・大義名分・錦の御旗 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「寄える」の意味・読み・例文・類語 よそ・えるよそへる【寄・比】 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙 [ 文語形 ]よそ・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 下二段活用の動詞「よす(寄)」に、反復・継続の接尾語「ふ」の付いたものか。また、古い四段活用の動詞「よす(寄)」からの派生か。一説に「寄し添ふ」からとも )① ある物を何かに似ていると見立てる。なぞらえる。擬する。たとえる。[初出の実例]「ふじのけぶりによそへて人をこひ」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)② 関係があるとする。かかわりがあるとする。[初出の実例]「争へば神も悪(にく)ますよしゑやし世副流(よそふル)君が憎くあらなくに」(出典:万葉集(8C後)一一・二六五九)③ ひっかかりを付ける。かこつける。口実にする。[初出の実例]「思ふどちひとりひとりが恋ひ死なばたれによそへてふぢ衣きん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋三・六五四)寄えるの補助注記室町時代ごろからヤ行にも活用した。→よそゆ(寄) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例