託する(読み)タクスル

デジタル大辞泉 「託する」の意味・読み・例文・類語

たく・する【託する/×托する】

[動サ変][文]たく・す[サ変]
自分がなすべきことを他の人に頼む。まかせる。「後事友人に―・する」
人に頼んで品物などを届けてもらう。用件を他の人にことづける。「伝言を―・する」
気持ちや意見などを他の物にことよせて表す。「思いのたけを歌に―・する」
[類語](1)(2預ける言付ける頼むゆだねる任せる寄託する預託する信託する委託する委任する付託するしょくする依託する委嘱する依嘱する嘱託する・やってもらう/(3口実名目隠れみの仮託かこつけるよそえる盾に取る表向き表看板美名綺麗事大義大義名分錦の御旗

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精選版 日本国語大辞典 「託する」の意味・読み・例文・類語

たく‐・する【託・托】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]たく・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 自分にできないことなどを他に頼む。また、人や品物などをすっかり預ける。まかせる。ゆだねる。
    1. [初出の実例]「深託(タクス)尊神霊祇之冥鑑」(出典太平記(14C後)二四)
    2. 「誰が大事の息子を託(タク)するもんか」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六)
  3. 人の手を通して目的の人にことばやものなどを伝えてもらう。品物や手紙などをことづける。神の託宣にもいう。
    1. [初出の実例]「尾張の国の熱田の明神、童子に託して寿広和尚に示して宣はく」(出典:今昔物語集(1120頃か)一二)
  4. 他の物事やことばにかこつける。ことよせる。口実にする。
    1. [初出の実例]「孔子託して云之なり」(出典:足利本論語抄(16C)陽貨第十七)
    2. 「戯言に託して人の意を測ってみたり」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)

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