① ウマノスズクサ科の多年草。地下茎から二~三葉を根生する。葉は長柄をもち、長さ約一〇センチメートルの広卵形または心臓形で、しばしば白斑や白脈がはいる。冬、葉間から短い花柄が出て、先端が三裂した直径二センチメートルほどの暗紫色の筒状花が開く。観賞用として栽培されるが、本州、四国、九州の山地の樹下に野生する。植物学上は数十種に分けられていて、狭義のカンアオイは関東および中部地方の太平洋側の低山に生える。漢方では、根を利尿薬、また、かぜ薬などにする。つぶねぐさ。ふまがみ。ちょうじゃのかま。ちゃがまのき。おけばな。いしばさみ。べにちょく。《 季語・冬 》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕