家庭裁判所の審判によって行われる離婚。夫婦の協議が調わず、協議離婚ができないため、裁判離婚をしようとする当事者は、調停前置主義に基づき、まず家庭裁判所に調停の申立てをしなければならない(家事事件手続法244・257条)。しかし、調停が不成立の場合において、家庭裁判所が相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、また、一切の事情を考慮して、職権で、離婚の審判(調停にかわる審判)をすることができる(同法284条)。その要件として、旧家事審判法24条1項は、「当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度」であることを規定していたが、「当事者双方のために衡平」を考慮すると、当事者双方が求めていない事項についても審判の対象とすることが必要となる。そこで、廃止された家事審判法にかわって施行された家事事件手続法(平成23年法律第52号)では、この要件を不要とした。そして、離婚の審判に対し、2週間以内に当事者から異議の申立てがないとき、または異議の申立てを却下する審判が確定したときは、審判は、確定判決と同一の効力を与えられる(同法287条)。しかし、当事者が家庭裁判所に異議を申し立てた場合には、審判は効力を失う(同法286条5項)。しかも、この異議の申立てには、なんらの理由も必要としないため、夫婦の一方が明確に離婚を拒否している場合には、審判に対する異議の申立てが確実に予想され、家庭裁判所が審判をする意味がなく、審判離婚の利用率はきわめて低い。結局、審判離婚は、夫婦双方に離婚をする気はあるが、財産分与額や子の親権者の決定をめぐって一致がみられないため離婚調停が成立しないような場合に、その効用を発揮する。
[野澤正充 2016年5月19日]
…ちなみにタイ,ミャンマー(ビルマ),ベトナムやスウェーデンなどにも協議離婚の制度はあるが,裁判所等の公機関による離婚意思の確認が行われることにおいて,日本とは相違している。 日本では第2次大戦後,家庭裁判所が創設され,協議が調わない離婚についての紛争は,まず,必ず家庭裁判所の調停にかけられ(調停前置主義),そこで〈調停離婚〉が成立しないか,審判で離婚を宣せられたもの(〈審判離婚〉)が確定しなかったかの場合のみ,訴訟として〈裁判離婚〉の審理に持ち込むという新しいシステムがとられた。審判離婚は,2週間以内に異議の申立てがあれば失効する点を除けば,簡易な形をとった一種の裁判離婚であるが,調停離婚は,両当事者の離婚合意を斡旋したものであるから,その本質は協議離婚の一種といえる。…
※「審判離婚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...
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