寺主(読み)テラシ

デジタル大辞泉 「寺主」の意味・読み・例文・類語

てら‐し【寺主】

《「てらじ」とも》三綱さんごうの一。寺院庶務雑事をつかさどる役職。じしゅ。

じ‐しゅ【寺主】

三綱さんごうの一。寺の雑事をつかさどる僧。てらし。

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精選版 日本国語大辞典 「寺主」の意味・読み・例文・類語

てら‐じ【寺主】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 諸大寺、定額寺(じょうがくじ)などの三綱上座・寺主・都維那)の一つ。一寺の庶務・雑事をつかさどる僧。じしゅ。てらじゅ。
    1. [初出の実例]「法師博打の様(やう)かるは、地蔵よ加旃(かせん)二郎てらしとか」(出典梁塵秘抄(1179頃)二)
  3. 寺銭を勘定し預かる人。てらくち。
    1. [初出の実例]「是も相応にゃア寺主(テラシ)があるはな」(出典:洒落本・卯地臭意(1783))

じ‐しゅ【寺主】

  1. 〘 名詞 〙 三綱(さんごう)(=上座・寺主・都維那)の一つ。寺中の庶務、雑事をつかさどる僧。
    1. [初出の実例]「伊河留我寺地乎波、功徳分食分衣分寺主分四分為而」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747))

てら‐じゅ【寺主】

  1. 〘 名詞 〙てらじ(寺主)」のこと。仁和寺での訓み習わしで、延暦寺などでは「じしゅ」と訓む。
    1. [初出の実例]「寺主 テラシュ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))

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普及版 字通 「寺主」の読み・字形・画数・意味

【寺主】じしゆ

住職

字通「寺」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の寺主の言及

【三綱】より

…寺内の僧尼を統轄し,庶務を処理する僧職。上座(じようざ),寺主(じしゆ∥てらじゆ),都維那(つゆいな∥ついな)(維那)の3者で,所司ともいう。すでにインドや中国南北朝で寺院の統轄者として,上座または寺主,もしくは都維那が置かれた。…

【住職】より

…住職という呼称は,今日では宗派を問わず多く用いられているが,歴史的にみると,寺院最高位の僧職の呼称は時代により宗派により,またそれぞれの寺院によって,さまざまの異称や尊称がある。南都系や平安仏教系寺院では寺主(じしゆ),維那(いな),院家(いんけ),隠元(いんげん),浄土真宗や日蓮宗(法華宗)や時宗では上人(しようにん),禅宗では方丈,和尚,住持,長老(ちようろう)などの,住職をさす尊称がそれである。また,由緒ある大寺院ではその寺固有の歴史的呼称もある。…

【三綱】より

…寺内の僧尼を統轄し,庶務を処理する僧職。上座(じようざ),寺主(じしゆ∥てらじゆ),都維那(つゆいな∥ついな)(維那)の3者で,所司ともいう。すでにインドや中国南北朝で寺院の統轄者として,上座または寺主,もしくは都維那が置かれた。…

※「寺主」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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