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三綱 サンコウ

世界大百科事典 第2版の解説

さんこう【三綱 sān gāng】

君臣,父子,夫婦の道をいう。中国では,人間社会の上下の秩序を定め,人としての道を整える根本と考えられ,長いあいだかなりの規制力をもった。君臣等の関係を三綱と呼んだのは,前漢中ごろの作である《春秋繁露(しゆんじゆうばんろ)》の〈基義〉篇が最初である。そこでは陰陽説によって,それぞれの関係が相互的なものとして把握されている。さらにまとまった形で記述されるのは,後漢の《白虎通(びやつこつう)》の〈三綱六紀篇〉においてである。

さんごう【三綱】

寺内の僧尼を統轄し,庶務を処理する僧職。上座(じようざ),寺主(じしゆ∥てらじゆ),都維那(つゆいな∥ついな)(維那)の3者で,所司ともいう。すでにインドや中国南北朝で寺院の統轄者として,上座または寺主,もしくは都維那が置かれた。各寺院に一律に3者が置かれたのは唐代からで,《唐六典(とうりくてん)》に〈寺ごとに上座1人,寺主1人,都維那1人,ともに衆事を綱統す〉とある。日本でも7世紀中葉に一部の寺院に〈寺主〉の名が見えるが,8世紀には唐制にならって各寺院に三綱が置かれた。

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大辞林 第三版の解説

さんこう【三綱】

儒教で、人間として守るべき、君臣・父子・夫婦の秩序。 「 -五常」 → さんごう(三綱)

さんごう【三綱】

仏寺に置かれた三種の役僧。上座・寺主・都維那ついな、上座・寺主・維那いな、上座・維那・典座てんぞなど宗派・時代によって異なる。
已講いこう・内供奉ないぐぶ・阿闍梨あじやり。有職。

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世界大百科事典内の三綱の言及

【寺院】より

…また特定の大寺には勅額を下賜して保護を加える一方,無額寺院は不法の建造物として廃毀されることが多かった。 寺内の衆僧を統べ寺務を執る役僧に上座,寺主,維那の三綱があり,ともに寺僧の推薦によって選ばれた。寺院には僧のほかに,まだ得度していない童行,清掃や耕作などに従事する寺奴婢,寺戸がいた。…

【所司】より

…特定の官司の官人を指した用語ではない。(2)寺院の寺官である三綱(さんごう)(上座(じようざ),寺主(じしゆ),都維那(ついな))のこと。三綱の下に組織された専当(せんとう),中綱(ちゆうごう)などを下所司という。…

※「三綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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