小倉神社(読み)おぐらじんじや

日本歴史地名大系 「小倉神社」の解説

小倉神社
おぐらじんじや

[現在地名]大山崎町円明寺

小泉こいずみ川の支流久保くぼ川の上流、小倉山の山麓に東面して建つ。「延喜式」神名帳の乙訓おとくに郡に「小倉ヲクラノ神社大、月次新嘗」とみえる社に比定される。現在の祭神天児屋根あめのこやね命・武甕槌たけみかづち命・斎主いわいぬし命・比売ひめ大神。旧郷社。社伝によれば養老二年(七一八)勧請、平安遷都後は鬼門除けとして皇室崇敬厚かったというが戦火などに遭って文書・記録のすべてを失い、歴史的変遷を明らかにしえない。「兼見卿記」は天正一〇年(一五八二)六月一二日、すなわち山崎の戦の前日、明智光秀方から「勝龍寺之西ノ在所放火」というが、勝竜寺しようりゆうじ(現京都府長岡京市)の西は小倉神社の方向にあたり神社もこのとき焼失したかもしれない。


小倉神社
おぐらじんじや

[現在地名]九重町町田

小倉岳(七七〇・一メートル)の北西麓に鎮座。祭神は建盤竜命ほか二柱。旧村社。「豊後国志」に小倉大明神祠とある。天和三年(一六八三)肥後国阿蘇宮(現熊本県一の宮町宮地の阿蘇神社)大宮司宇治友隆によって記された小倉社記(社蔵)によると、当社は阿蘇神社の分霊を奉じて醍醐天皇の代延長三年(九二五)一一月一五日に小倉岳の山頂に勧請したという。元亨期(一三二一―二四)当地の地頭清原時成(小田氏)が現在の宮の尾みやのお社殿を移した。末社七二社のうち天神・稲荷今宮いまみや歳神としのかみ黒尾くろおの五社は境内に祀るという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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