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小児糖尿病 しょうにとうにょうびょう childhood diabetes

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小児糖尿病
しょうにとうにょうびょう
childhood diabetes

15歳以下で発症する糖尿病。 10歳まではインスリン依存型糖尿病 IDDMが多く,それ以後は,肥満を伴うインスリン非依存型糖尿病 NIDDMがふえてくる。 NIDDMは中年以降にも多い。また,発症期には NIDDMの病症を呈していても,1~2年経過すると IDDMに移行するケースもある。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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家庭医学館の解説

しょうにとうにょうびょう【小児糖尿病 Diabetes Mellitus Childhood】

◎糖尿病とは
 血液中に含まれる糖質(とうしつ)を血糖(けっとう)といい、大部分はぶどう糖です。健康な人の血糖値は、血漿(けっしょう)1dℓ中、空腹時で80~100mg、食後2時間で140mg以下で、これより値の高い状態を高血糖(こうけっとう)といいます。
 血糖を代謝(たいしゃ)し、処理して血糖値を下げるのは、膵臓(すいぞう)から分泌(ぶんぴつ)されるインスリンというホルモンです。このインスリンの分泌の減少や作用の不足でおこるのを一次性糖尿病(いちじせいとうにょうびょう)、病気の症状としておこるのを二次性糖尿病(にじせいとうにょうびょう)といいます。
 一次性糖尿病には、インスリンが欠乏しているインスリン依存型糖尿病とインスリンの効きが悪いインスリン非依存型糖尿病(「インスリン非依存型糖尿病」)とがあって、子どもの糖尿病には、どちらの糖尿病もおこりえます。

出典|小学館
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食の医学館の解説

しょうにとうにょうびょう【小児糖尿病】

《どんな病気か?》
〈おもに小児期に突然発症するインスリン依存型糖尿病〉
 血液中に含まれる糖質のことを血糖(けっとう)といいます。糖尿病(とうにょうびょう)はこの血糖を処理するインスリンというホルモンが十分に分泌(ぶんぴつ)されなかったり、分泌はされていてもうまく働かないために、高血糖となる病気です。
 インスリンの分泌が不足している場合を「インスリン依存型(1型)糖尿病」、インスリンの働きが悪い場合を「インスリン非依存型(2型)糖尿病」といい、どちらの糖尿病も子どもに起こりえます。
 インスリン依存型糖尿病は、おもに小児期に発病し、のどのかわきや多尿(たにょう)、全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん)などの症状が突然に現れます。また、糖がエネルギーとして利用されずに尿中に排出されてしまうため、空腹感が強く、いくら食べても体重が減少していきます。
 治療は、インスリンを注射して血糖値を下げる方法がとられます。このため、治療中の食事において注意しなければならないのは、低血糖を起こさないようにすることです。そして成長のことを考え、制限食ではなく必要な栄養を十分にとるようにします。同年齢の健康な子どもと同じエネルギー摂取量にし、給食もふつうに食べさせるのが原則です。
〈インスリン非依存型糖尿病は生活習慣の乱れが原因に〉
 一方、インスリン非依存型糖尿病は、過食や肥満、運動不足といった生活習慣の乱れに、ストレスなどが加わって発症します。このタイプの糖尿病は中高年に多いのですが、近年では子どもにも多くみられるようになりました。
 大量の清涼甘味飲料を飲んだあとに急に高血糖が起こり、脱水症状意識障害を起こす、いわゆる「ペットボトル症候群」にかかる子どももふえています。
 このインスリン非依存型糖尿病では、食事療法が治療の基本となります。肥満している場合は、一般に摂取カロリーを同年齢の子どものエネルギー必要量の10%減からはじめ、体重や血糖値の変化をみながら制限を強めていきます。
 また食事記録をつけるなどして、主治医栄養士の指導のもとで、糖質や脂質の多いこれまでのかたよった食習慣を改めていきます。
 糖尿病などの生活習慣病予防のための食事指針の一例を紹介します。
 (1)日本食、中華食、洋食などをミックスした雑食にする。
 (2)食品数を1日30品以上、週に100品以上にする。
 (3)低塩食にする。
 (4)砂糖をとりすぎない。
 (5)カルシウムを十分に。
 (6)食物繊維を十分に。
 (7)固いものを与える。
 (8)偏食をしない。
 (9)味付けをおいしく。
 (10)間食を位置づける。
 (11)食卓に空腹でむかわせる。
 (12)食卓を楽しくする。
(高知県医師会ホームページ 高知県小児科医会 門田正坦氏の寄稿文より)
 糖尿病の治療の目的は、単に血糖値を下げることにあるのではありません。長く高血糖の状態が続くと、神経障害糖尿病性網膜症(もうまくしょう)、糖尿病性腎症(じんしょう)動脈硬化高血圧症などの合併症にかかりやすくなります。これらの合併症を予防することが、治療の主目的となります。
《関連する食品》
〈食後の血糖値の上昇を抑制する食物繊維、ギムネマ酸
○栄養成分としての働きから
 インスリン非依存型糖尿病の場合、肥満が要因となっていることがほとんどで、エネルギー摂取量を制限することが食事療法のポイントになります。食事の量を全体的にひかえめにし、たんぱく質、糖質、脂質をバランスよくとるように心がけてください。
 そして、これはインスリン依存型糖尿病にもいえることですが、海藻やキノコ類、こんにゃくなどの食物繊維をたっぷりとることです。
 食物繊維には糖質や脂質の吸収を遅らせて、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。血糖値の上昇が緩やかであれば、インスリンの働きにも負担がかかりません。しかもコレステロールを減らしてくれるので、動脈硬化や高血圧などの合併症の予防にも効果を発揮します。白米を玄米(げんまい)や胚芽米(はいがまい)にかえたり、ライ麦パンや胚芽パンを選べば、食物繊維をかなり補うことができます。
 インド東南アジアに自生している蔓性(つるせい)植物の葉から抽出されたギムネマ酸という成分も、腸から糖質が吸収されるのを抑制し、血糖値の上昇を防いでくれます。ギムネマ・シルベスタをはじめ、同じように血糖値を下げる働きがあると注目されているグァバ茶などを習慣的に飲用することで、血糖値のコントロールを助けてくれます。
タウリンとγ―リノレン酸は血糖値を下げる〉
 血糖値を下げる働きがあるのが、タウリンとγ(ガンマ)―リノレン酸です。
 サザエやホタテガイなどの貝類、イカやタコに含まれているタウリンには、膵臓(すいぞう)からのインスリンの分泌をうながして、血糖値を下げる効果があります。
 一方のγ―リノレン酸は、植物油に含まれるリノール酸が体内で合成されてできる脂肪酸で、プロスタグランジンという生体調節ホルモンの材料になります。
 このプロスタグランジンには、血圧、血糖値、コレステロール値などを低下させる作用が認められているほか、糖尿病の合併症である神経障害を改善する働きも指摘されています。海藻類やツキミソウ油、シソ油などに多く含まれていますが、油脂はカロリーが高いので、とりすぎには注意が必要です。
 また、インスリン依存型の場合は、急激な血糖の低下を避けるために、激しい運動時にはブドウ糖やはちみつなどを摂取しましょう。
 このほか、糖尿病の合併症を予防するものとして、キンキやイワシなど魚の脂(あぶら)に多く含まれるIPA(イコサペンタエン酸)は動脈硬化、高血圧症の予防に、レモンやイチゴに含まれるビタミンCは、糖尿病の三大合併症といわれる神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防に有効です。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうにとうにょうびょう【小児糖尿病 childhood diabetes】

小児にみられる糖尿病。糖尿病はインシュリン不足のためのブドウ糖利用低下によって起こる病気である。インシュリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンで,血液中のブドウ糖(血糖)の肝臓・筋肉組織等への取込み・貯蔵,およびエネルギー源としての利用(解糖)を促進する作用をもつ。成人型糖尿病adult‐type diabetes(インシュリン非依存型糖尿病non‐insulin dependent diabetes mellitus:NIDDM)が,インシュリンの相対的不足(肥満によるインシュリン感受性の低下によるインシュリン必要量の増大など)であるのに対し,若年型糖尿病juvenile‐type diabetes(インシュリン依存型糖尿病insulin dependent diabetes mellitus:IDDM)はβ細胞の障害によるインシュリンの絶対的欠乏である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小児糖尿病
しょうにとうにょうびょう

小児にみられる糖尿病で、糖尿病はインスリンの不足によっておこる代謝異常状態と考えられているが、小児糖尿病における病型のうちでもっとも多い型はインスリン依存性糖尿病である。発病は急激で、多飲、多尿、口渇、疲労感を訴え、患児はやせ型であり病状は急速に進行するので、糖尿病性昏睡(こんすい)をおこすことがしばしばある。経過において治療にインスリンを必要とし、若年型糖尿病とよばれることもある。これに対して成人糖尿病患者の大部分にみられるものはインスリン非依存性糖尿病であり、発病は徐々で潜在的である。肥満が誘因となることが多く、食事療法、経口糖尿病治療薬が有効なことが多い。
 検査において重要なことは尿糖と血糖の検査で、糖尿と高血糖がはっきりしないときはブドウ糖負荷試験を行う。
 小児糖尿病でインスリン依存性の場合は、インスリン治療を行う。食事や運動などの生活条件によってインスリンの必要量が変わるので、過量にならないよう、また同時にインスリン低血糖が発生しないように注意し、注射は患者自身が行えるように指導する。食事療法は、成長に必要な成分とカロリーが必要であるが、糖分が過剰にならないよう注意し、食事の時間的配分を考慮する。サマーキャンプなどの集団治療が有効である。
 問題は最近小児のインスリン非依存性成人型糖尿病が増加する傾向にあることで、小児成人病の一つとして成人型糖尿病の小児期発症に十分注意すべきである。[山口規容子]

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世界大百科事典内の小児糖尿病の言及

【糖尿病】より

…日本ではこの10年間で1.7対1から1.3対1となっている。現在では治療により小児糖尿病の平均余命は約30年で,正常の50%となり,成人発症のII型糖尿病では正常の70%になっている。西欧の小児糖尿病では,発症17~25年の主要死因は糖尿病性腎症であり,25年以上になると心筋梗塞(こうそく)などの冠動脈硬化が優位となる。…

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