日本大百科全書(ニッポニカ) 「小布施」の意味・わかりやすい解説
小布施(町)
おぶせ
長野県北東部、上高井郡にある町。1954年(昭和29)町制施行。同年都住(つすみ)村と合併。千曲(ちくま)川右岸の松川の扇状地上にあり、国道18号、403号、長野電鉄が通じている。上信越道の信州中野インターチェンジが近い。近世は谷街道の交通の要地を占め、地元の綿や菜種油の市(いち)が立った。明治から昭和初期にかけては桑園が多かったが、現在は信州リンゴの代表的産地で、クリの栽培も多い。特産名菓に栗(くり)ようかん、栗かのこがある。また、雁田(かりた)には曹洞(そうとう)宗の岩松院(がんしょういん)があり、その天井画は葛飾北斎(かつしかほくさい)の筆になり、戦国時代の武将福島正則(まさのり)の墓所もある。このほか、浄光寺薬師堂(じょうこうじやくしどう)(国指定重要文化財)や北斎館も知られる。面積19.12平方キロメートル、人口1万0660(2020)。
[小林寛義]
『市村郁夫編『小布施町史』(1975・小布施町)』