小布施(読み)おぶせ

改訂新版 世界大百科事典 「小布施」の意味・わかりやすい解説

小布施[町] (おぶせ)

長野県北部,上高井郡の町。人口1万1072(2010)。長野盆地の中央に位置し,千曲川右岸の松川扇状地を占める。中心集落の小布施は古くから千曲川右岸を南北に通ずる谷街道の要衝で,近世初期から3・8の六斎市が開かれ,ナタネ油穀類,塩などの取引でにぎわった。主産業は千曲川沿岸の沖積地を中心とした農業で,かつての養蚕に代わって第2次世界大戦後リンゴ栽培が急速に伸張した。昭和40年代以降は高級品種への転換,桃,ブドウへの移行も行われている。江戸時代以前から小布施栗産地で,栗を原料とした食品工業が盛んであり,栗菓子は名産品として知られる。長野電鉄長野線が通じ上信越自動車道が町域をほぼ南北に貫く。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報