小納戸(読み)コナンド

デジタル大辞泉 「小納戸」の意味・読み・例文・類語

こ‐なんど【小納戸】

江戸幕府職名若年寄支配に属し、将軍近侍して、理髪膳番ぜんばん庭方馬方などの雑務担当した。小納戸方。→大納戸おおなんど

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精選版 日本国語大辞典 「小納戸」の意味・読み・例文・類語

こ‐なんど【小納戸】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府の職名。若年寄支配。髪月代膳番、庭方、馬方、鷹方、筒方など将軍の身辺の雑務を担当した。定員約一〇〇名。高五百石。諸大名家にも同じような役職があった。小納戸衆。小納戸方。⇔大納戸
    1. [初出の実例]「用のある文はからげて鯣箱 若衆いふりとなぶる小納戸〈柴雫〉」(出典:俳諧・末若葉(1697)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小納戸」の意味・わかりやすい解説

小納戸
こなんど

江戸幕府の職名。若年寄(わかどしより)の支配に属し、御場掛(ごばがかり)、御膳番(ごぜんばん)、奥之番(おくのばん)などの掛に分かれて、将軍身辺の雑事を担当した。高500石、布衣(ほうい)の着用を許されたが、定員は不定で50~100人くらいである。設置年代は明らかでないが、寛永(かんえい)期(1624~44)ころには成立していたと考えられる。小納戸頭取(とうどり)は1729年(享保14)設置され、小納戸の直接の支配、監督を担当した。高1500石。いずれも1866年(慶応2)廃止。このほか、諸藩の職制中にも認められるが、職務内容は同様なところが多い。しかし、納戸方に属して会計や物品出納を担当した藩もある。

[佐々悦久]

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百科事典マイペディア 「小納戸」の意味・わかりやすい解説

小納戸【こなんど】

江戸幕府の職名。小姓(こしょう)に次ぐ将軍側近の職で,将軍の髪,膳番(ぜんばん),馬方,鷹方(たかかた),筒方など身辺の雑務を担当。500石高。定員100名前後で若年寄配下

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世界大百科事典(旧版)内の小納戸の言及

【納戸方】より

…なお1650年奥方御用について役方条目が出され,納戸方御用は老中阿部忠秋,松平乗寿の指図するところとなった。 次に,小納戸は将軍に近侍して将軍身辺の雑務を行うもので,寛永初年にはすでにあり,将軍の理髪・食膳・庭方など日常細務に従事した。御髪月代,御膳番,御庭方,御馬方,御筒方などがあり,頭取,御膳番,奥之番の両掛は奥向きの取締りを行い,表役人と応待するので権威があったが,小姓よりは軽い立場であった。…

※「小納戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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