尚州(読み)しょうしゅう(その他表記)Sangju

改訂新版 世界大百科事典 「尚州」の意味・わかりやすい解説

尚州 (しょうしゅう)
Sangju

韓国,慶尚北道北西部の都市。人口11万6493(2000)。西にそびえる小白山脈東部を南流する洛東江によってはさまれた地域で,山麓に盆地平野がよく発達している。金,黒鉛がわずかに産出するが,稲作を主とする農業が中心であった。古くから養蚕が盛んで,かつては尚州明紬の産地として知られ,近代に至って製糸工場が発達した。慶北線の主要駅があり,交通の要衝として商業が発達し,市街地化が進んでいる。三国時代,百済や高句麗に対抗する新羅の軍事拠点として城が築かれたが,その後も慶尚道地方の行政中心地として重視されてきた。ちなみに,慶尚道の道名は古都慶州とこの尚州から1字ずつとってつけられた。なお,忠清北道報恩郡との境にある俗離山(1057m)は奇岩景勝の霊山として名高い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尚州」の意味・わかりやすい解説

尚州
しょうしゅう / サンジュ

韓国(大韓民国)、慶尚北道にある都市。面積1254.72平方キロメートル、人口11万6365(2000)。1986年、市に昇格。95年、尚州郡と統合俗離(ぞくり)山の南東、洛東江(らくとうこう)沿いに位置する農産地。古くから地方行政の中心地であり、絹織物の名産地として知られている。慶北線の中間に位置して、三千浦―草山国道鎮海清州の国道が交差する内陸交通の要地である。

[邢 基 柱]

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