改訂新版 世界大百科事典 「尚州」の意味・わかりやすい解説
尚州 (しょうしゅう)
Sangju
韓国,慶尚北道北西部の都市。人口11万6493(2000)。西にそびえる小白山脈と東部を南流する洛東江によってはさまれた地域で,山麓に盆地平野がよく発達している。金,黒鉛がわずかに産出するが,稲作を主とする農業が中心であった。古くから養蚕が盛んで,かつては尚州明紬の産地として知られ,近代に至って製糸工場が発達した。慶北線の主要駅があり,交通の要衝として商業が発達し,市街地化が進んでいる。三国時代,百済や高句麗に対抗する新羅の軍事拠点として城が築かれたが,その後も慶尚道地方の行政中心地として重視されてきた。ちなみに,慶尚道の道名は古都慶州とこの尚州から1字ずつとってつけられた。なお,忠清北道報恩郡との境にある俗離山(1057m)は奇岩景勝の霊山として名高い。
執筆者:谷浦 孝雄
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