尾上伊太八(読み)オノエイダハチ

デジタル大辞泉 「尾上伊太八」の意味・読み・例文・類語

おのえいだはち〔をのへイダハチ〕【尾上伊太八】

新内節本名題帰咲名残命毛かえりざきなごりのいのちげ」。初世鶴賀若狭掾つるがわかさのじょう作曲。延享4年(1747)に起こった、武士原田伊太夫と遊女尾上の心中未遂事件に取材
岡本綺堂戯曲。3幕6場。もとにした時代劇

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精選版 日本国語大辞典 「尾上伊太八」の意味・読み・例文・類語

おのえいだはち をのへイダハチ【尾上伊太八】

新内。明和年間(一七六四‐七二)頃、初世鶴賀若狭掾作曲。本名題「帰咲名残命毛(かえりざきなごりのいのちげ)」。延享三年津軽岩松家の江戸詰右筆原田伊太夫と新吉原の遊女尾上の心中未遂を題材としたもの。現在では一部略されて演奏されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾上伊太八」の意味・わかりやすい解説

尾上伊太八
おのえいだはち

音曲、戯曲の登場人物名、またはその題名。1747年(延享4)元津軽岩松家の侍原田伊太夫が吉原の遊女尾上と心中未遂し、日本橋橋詰に晒(さら)された事件を脚色したもの。新内節では初世鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)(当時富士松敦賀(つるが)太夫)がその同年に発表した『帰咲名残命毛(かえりざきなごりのいのちげ)』(通称「伊太八」)が、『明烏(あけがらす)』や『蘭蝶(らんちょう)』とともに名曲として知られる。戯曲では岡本綺堂(きどう)作『尾上伊太八』があり、1918年(大正7)9月東京明治座で2世市川左団次の伊太八、2世市川松蔦(しょうちょう)の尾上のちに門付おさよによって初演された。心中未遂のため非人の境涯となり、心もすさんだ伊太八の虚無的な生活を描いたもので、「杏花(きょうか)戯曲十種」に選ばれている。

[松井俊諭]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「尾上伊太八」の解説

尾上伊太八
おのえいだはち

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
岡本綺堂
初演
大正7.9(東京・明治座)

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