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屈折異常 くっせついじょう refractive anomaly

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

屈折異常
くっせついじょう
refractive anomaly

近視遠視乱視の3つを,正視に対して屈折異常あるいは非正視という。正視とは,眼が無調節状態にあるとき,無限遠から入って来る平行光線が網膜上に正しく結像する眼である。一方,近視では網膜の前で,遠視では網膜のうしろで平行光線が結像する。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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家庭医学館の解説

くっせついじょう【屈折異常】

 目の屈折の状態には、無限に遠いところから目に入ってくる光線が像を結ぶ位置によって、4つに分けられます。
①正視(せいし)
 網膜(もうまく)に像を結ぶ。
②近視(きんし)
 網膜より前(水晶体(すいしょうたい)側)に像を結ぶ。
③遠視(えんし)
 網膜より後ろ(視神経側)に像を結ぶ。
④乱視(らんし)
 どこにも像を結ばない。
 以上のうち、正視を除く②~④を屈折異常と呼びます。
 屈折異常の原因はさまざまですが、角膜(かくまく)や水晶体がもつ凸(とつ)レンズとしての「強さ」あるいは「ゆがみ」と、眼球(がんきゅう)の前後方向への「長さ」(眼軸(がんじく))の関係で、屈折異常が決まります。
 成人の眼軸長は24mm前後ですが、近視の人の眼軸長は長く、遠視の人は短い傾向があります(軸性近視(じくせいきんし)、軸性遠視(じくせいえんし)と呼びます)。
 また、角膜や水晶体がもつ凸レンズパワーが強い人は近視に、弱い人は遠視になります(屈折性近視(くっせつせいきんし)、屈折性遠視(くっせつせいえんし)と呼びます)。軸性あるいは屈折性の一方だけでなく、両者の要素によって屈折異常が決まります。

くっせついじょう【屈折異常 (Refractive Error)】

カメラによく似た目のしくみ
 眼球(がんきゅう)の構造は、カメラによく似ています。カメラ本体が強膜(きょうまく)とぶどう膜(まく)、しぼりが瞳孔(どうこう)、固定レンズが角膜(かくまく)(黒目(くろめ))、可変レンズが水晶体(すいしょうたい)、可変レンズのピント合わせ装置が毛様体(もうようたい)、フィルムが網膜(もうまく)にあたります(「目のしくみとはたらき」)。
 目に入った光は角膜で強く屈折され、瞳孔で光量を調節され、水晶体によってピント合わせが行なわれて網膜上に像を結びます。この像を視神経(ししんけい)が脳に伝えてはじめてものが見えます。
 像を結ぶ位置は、この角膜と水晶体の光を屈折する力、および眼軸(がんじく)(角膜から網膜までの距離)の長さとで決まります。
 弾力性があり、丸くなろうとする性質の水晶体は、チン氏帯(したい)という細い線維によって眼内につるされています。
 遠くを見るときには、毛様体筋がゆるんでいる(無調節状態)ためチン氏帯は引っ張られ、水晶体は薄くなって屈折力を弱め、網膜上にはっきりした像を結びます。
 近くを見るときには、逆に毛様体筋が収縮している(調節状態)ためチン氏帯はゆるみ、水晶体は自身の弾力性によって厚くなり、屈折力を強め、網膜上にはっきりした像を結びます。
◎網膜上に結像しない屈折異常
 ふつうに見たとき(無調節状態)に、無限に遠いところから目に入ってくる光線(平行光線)が像を結ぶ位置によって、4つの屈折状態に分けられます。
正視(せいし)
 網膜面の上に像を結ぶ状態
近視(きんし)
 網膜面より前方に像を結ぶ状態
遠視(えんし)
 網膜面より後方に像を結ぶ状態
乱視(らんし)
 どこにもピントの合った正しい像を結ばない状態
 これらのうち、網膜上に像を結ばない近視、遠視、乱視のことを屈折異常といいます。屈折異常があると、無調節状態で遠いところから目に入ってきた光線が網膜上に像を結ばないため、遠くのものがぼんやり見えます。

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世界大百科事典 第2版の解説

くっせついじょう【屈折異常 anomalies of refraction】

眼の屈折に異常があって,眼の調節を休めたとき,遠方の像が網膜上に結ばない状態。近視,遠視,乱視がこれに含まれる。
【眼の屈折と調節】
 眼に入ってくる光は角膜で強く屈折され,瞳孔を通って,水晶体でもさらに屈折され,硝子体ではわずかに拡散して,網膜に到達する。正常な眼では,無限遠からきた光は,なにもしない場合,網膜に像を結ぶ。しかし,近くの物を見る場合には,毛様体筋を収縮させ,水晶体を厚くして屈折力を上げなければ,像は網膜に結ばない。

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大辞林 第三版の解説

くっせついじょう【屈折異常】

正常の屈折状態を有しない眼。調節作用が起こっていない時に無限遠の距離から来る光が網膜上に結像しない。近視・遠視・乱視の三種類がある。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

屈折異常
くっせついじょう

正視以外の目の屈折状態のことで、非正視ともいう。目が無調節の状態で遠方を眺めているとき、遠方からくる平行光線が正しく網膜に結像する場合、これを正視という。屈折異常があると、遠方からの平行光線が網膜上で正しく像を結ばず、遠方の物がぼやけて見える。この屈折異常には近視、遠視、乱視などがある。[中島 章]

近視

平行光線が網膜の前で像を結ぶ屈折異常で、目の前方有限の距離にある1点から出る光線が網膜に結像する状態をいう。眼軸が長い場合におこる近視を軸性近視といい、角膜や水晶体の屈折力が強い場合のものを屈折性近視という。近視には単純近視と病的近視の2種類があり、前者は小学校高学年くらいから始まることが多く、眼鏡をかければ正常視力まで矯正できる。近視の大部分はこれに属している。後者は幼児期からすでに始まっており、進行性で、眼鏡をかけても矯正できず、眼底にも変化がみられ、視力障害者のもっとも多い原因の一つになっている。[中島 章]

遠視

目の後方有限の距離にある1点に向かって集中する光線が網膜に結像する状態で、眼軸が短い場合を軸性遠視、角膜や水晶体の屈折力の弱いものを屈折性遠視という。遠視は、遠くを見るときも近くを見るときも、つねに調節しないと物がはっきり見えないので目が疲れやすく、とくに小児の場合矯正しないでおくと弱視になったり、またつねに調節をしているため目が寄ってきて内斜視になることもある。[中島 章]

乱視

平行光線が網膜のどこにも像を結ばない状態で、正乱視と不正乱視がある。前者は角膜の湾曲が方向によって異なることによるもので、円柱レンズで矯正ができる。後者は角膜疾患などによって角膜の表面の凹凸不正が原因でおこるが、コンタクトレンズで矯正可能である。
 このように、目の屈折状態を決定するのにたいせつな要素は角膜、水晶体および眼軸長であり、これらの三つの相互関係で、正視、近視、遠視を区別し、角膜のゆがみによって乱視を生ずる。老視(老眼)は調節力の低下によるもので、屈折異常ではない。[中島 章]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内の屈折異常の言及

【検眼】より

…本来は,眼が見えにくくなったときに,その原因をさぐるためにおこなわれる眼の検査一般を指す言葉であるが,現在では,(1)視力検査と眼鏡矯正のための検査,(2)眼底検査に用いる検眼鏡検査,の二つの意味に狭義に使われ,一般では(1)を指すことが多い。
[視力検査と眼鏡矯正]
 視力を測定し,近視,遠視,乱視など屈折異常の有無を調べ,屈折異常や老視(老眼)のある場合は,最適の眼鏡の度数を決定するまでの検査。屈折異常の検査には,他覚的検査と自覚的検査の二つの方法がある。…

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