デジタル大辞泉
「乱視」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
らん‐し【乱視】
- 〘 名詞 〙 一般に、角膜の湾曲が正しい球面になっていないため、外界の一点から出る光線が眼内で一点に合わない状態。また、その目。
- [初出の実例]「月はかすかな副像をもつ やっぱり疲れからの乱視なのだ」(出典:春と修羅(1924)〈宮沢賢治〉東岩手火山)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
乱視
らんし
一般に角膜の表面、ときに水晶体の表面が球面になっていないため、あるいは角膜と水晶体の中心がずれているために、外界の一点から出る光線が網膜上に一点として結像しない状態をいう。だれでも多少の乱視はあるが、それが目の調節力の範囲を超える場合は、眼精疲労の原因となったり、小児では視力の発達が阻害されて弱視となる場合もある。
乱視には正乱視と不正乱視がある。乱視を矯正するには、角膜が上下または左右、あるいは斜めから圧迫されたような形の乱視(正乱視)の場合は、眼鏡による矯正で円柱レンズというレンズを用いる。角膜表面の凹凸不整のための乱視(不正乱視)や強度の正乱視の場合は、ハードコンタクトレンズによる矯正のほうがよい視力が得られる。これは、涙がコンタクトレンズと角膜表面の間を埋めて角膜表面の屈折力を減少させるからである。
円柱レンズというのは、ある面では凹レンズあるいは凸レンズのような屈折力をもち、それと直角な面では屈折力をもたないようなレンズで、円柱レンズを加えたほうがよいかどうかは、乱視の程度や年齢によっても異なる。なお、円柱レンズを入れると、像が多少ゆがんで見える感じがあり、よく見えるが、つらくて眼鏡をかけていられないという場合もある。若い人ほど順応性は高いが、中年以降になって初めて円柱レンズの入った眼鏡をかける場合、慣れるのに時間がかかることがある。円柱レンズの仕組みを導入したソフトコンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズより乱視の矯正力は一般に弱いが、これは、角膜の変形に伴ってレンズが形を変えてしまうためである。強度の乱視では、とくにそれが一眼だけの場合、弱視をきたすことがある。それに気づかずに成長期を過ぎて手遅れになることがあり、早期に眼科での診察を受け、眼鏡により矯正する必要がある。
[中島 章 2024年9月17日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
乱視【らんし】
目の屈折異常の一つ。眼球の光学系の屈折面が正しい球面をなさないため,外界の一点から出る光線が眼底の一点に集合しないもの。正乱視と不正乱視があるが,普通,乱視といえば正乱視をさす。原因は,多くは角膜が上下,左右あるいは斜めの方向にゆがんだ形を呈し,経線によって湾曲度が異なるためで,まれに水晶体や眼底のゆがみによることもある。円が楕円に見えたり,物体が2重3重に見えたりし,頭痛,眼痛,流涙などの眼精疲労症状を伴う。円柱レンズで矯正する。不正乱視は同一経線上でも屈折が不規則なもので,多くは角膜疾患による。どのようなレンズでも矯正できないが,角膜表面の凹凸不整によるものは,コンタクトレンズによって,ある程度矯正できる。
→関連項目グルストランド|視力回復手術|眼鏡|ヤング
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
Sponserd by 
らんし【乱視 Astigmatism】
[どんな異常か]
ふつうに見ているとき(無調節状態)に、遠いところから目に入ってきた光がどこにも像を結ばない屈折異常で、正乱視と不正乱視があります。
[症状]
年齢が若く、軽度の場合には自覚症状はありませんが、乱視の度が強い場合や、軽度でも年を重ねると、遠くも近くも見にくいという視力障害がおこります。また、片方の目で見ても1つのものが2つに見える単眼複視(たんがんふくし)や、眼精疲労(がんせいひろう)がおこります。
[治療]
治療法は正乱視と不正乱視とでその内容が異なります。
●正乱視の場合
角膜(かくまく)(黒目(くろめ))のカーブの度合いが、方向によってちがうためにおこります。円柱レンズを入れて矯正(きょうせい)します。
●不正乱視の場合
目の炎症やけがなどで、角膜の表面がでこぼこになったためにおこります。角膜が透明ならハードコンタクトレンズで矯正します。
出典 小学館家庭医学館について 情報
Sponserd by 
乱視
均一なはずの線がムラに見えたり、一つのものが二重に見えたり、極端に眼が疲れやすい、などの症状です。水晶体が原因の場合もありますが、多くは角 膜表面のカーブが均一でないことが原因です。年齢が若く軽度の乱視の場合には、自覚症状がほとんどありませんが、年齢が進むにつれて症状が現れてくること もあります。視力障害(遠くも、近くも見えにくくなる)、単眼複視(片眼で見ても、二重に見えることがある)、眼精疲労(調節の努力のために眼が疲れるほ か、夜間に見えにくくなる、電光掲示板の文字がにじんで見える)などの症状パターンがあります。角膜が原因の場合、ウェーブフロントレーシックで治療でき ることがあります。
出典 レーシックNETレーシック関連用語集について 情報
Sponserd by 
乱視
らんし
astigmatism
屈折異常の一つ。眼の中に入るいかなる光線も1点に結像しないために,外界の物体を明視することができない。眼が疲れやすく,頭が痛くなったりする。角膜の湾曲のゆがみによるものが多く,水晶体の球面のゆがみによるものなどもある。正乱視と不正乱視とがあるが,普通,乱視といえば正乱視をさす。正乱視は先天性のものが多く,遺伝することがある。通常,円柱レンズによって視力を補正できる。不正乱視は,角膜の病気のあとなどで,その表面に凹凸や混濁ができて起るもので,コンタクトレンズで矯正される。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
Sponserd by 
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の乱視の言及
【屈折異常】より
…眼の屈折に異常があって,眼の調節を休めたとき,遠方の像が網膜上に結ばない状態。近視,遠視,乱視がこれに含まれる。
【眼の屈折と調節】
眼に入ってくる光は角膜で強く屈折され,瞳孔を通って,水晶体でもさらに屈折され,硝子体ではわずかに拡散して,網膜に到達する。…
【眼鏡】より
…〈両眼の前に常用するに適合した光学器械〉もしくは〈レンズまたは平板を細工して眼前に掛け視力の増進または眼の保護に用いるもの〉と定義される。視力の増進とは,近視,遠視,乱視等の[屈折異常]を矯正したり,老視(俗に[老眼]という)による調節の衰弱を補ってやったりして,生活上不便をきたさない視力を得るという意味である。
[視力の増進用の眼鏡]
(1)近視 近視は屈折に比して眼軸が長いか,眼軸に比して屈折が強いかによって平行な入射光線が網膜前方に結像するような眼である。…
※「乱視」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 