山科教成(読み)やましな・のりしげ

朝日日本歴史人物事典 「山科教成」の解説

山科教成

没年:延応1.4.13(1239.5.17)
生年治承1(1177)
鎌倉前中期の公卿平業房の子。母は高階栄子(丹後局)。童名を金毘羅丸といい,後白河法皇下北面に仕えたが,母が法皇の寵妃となったために,法皇の命で藤原(山科)実教の養子となる。侍の子でありながら公卿の家の養子となり,のちの山科家を作った。母とその子宣陽門院の後押しによって,左中将左兵衛督から承元3(1209)年に参議になるなど順調に出世し,権中納言・正二位に上った。『明月記』建仁1(1201)年条によれば,藤原定家は若年の左中将教成の下にあり,その出世ぶりと人品に反感と憤りを記している。当時噂の人物のひとりだったようだ。

(土谷恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山科教成」の解説

山科教成 やましな-のりしげ

1177-1239 鎌倉時代の公卿(くぎょう)。
治承(じしょう)元年生まれ。平業房(なりふさ)の子。藤原実教(さねのり)の養子となる。母の高階栄子(たかしなの-えいし)(丹後局(たんごのつぼね))より京都山科の地を相続し,山科氏を名のる。参議などをへて権(ごんの)中納言となった。正二位。延応元年4月13日死去。63歳。

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