山鳴(読み)ヤマナラシ

デジタル大辞泉 「山鳴」の意味・読み・例文・類語

やま‐ならし【山鳴】

ヤナギ科の落葉高木。山地の日当たりのよい所に生える。葉は互生し、広卵形で、葉柄は長い。風にゆらいだ葉が触れ合って音をたてる。雌雄異株。春、葉より先に花をつけ、雄花穂は赤褐色、雌花穂は黄緑色で、下垂する。材で箱などを作る。白楊はくよう。はこやなぎ。あおどろ。

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精選版 日本国語大辞典 「山鳴」の意味・読み・例文・類語

やま‐ならし【山鳴】

  1. 〘 名詞 〙 ヤナギ科の落葉高木。生長迅速で、各地の山地に生える。高さ五メートル内外。葉は長柄をもち広楕円状菱形、縁に細鋸歯(きょし)があり、裏は灰白色。雌雄異株。早春、葉に先立って紐状の尾状花序を垂れる。雄穂は紫紅色を帯び、長さ五センチメートルぐらい。雌穂は長さ一〇センチメートル内外。果実は長卵形。種子には白毛がある。材は柔らかく、箱材、マッチの軸木、つまようじ、げた、経木真田(さなだ)などに使う。和名は、葉がたてる音による。慣用漢名に白楊をあてる。はこやなぎ。まるばやなぎ。いぬやなぎ。よめふり。《 季語・春 》 〔日本植物名彙(1884)〕

やま‐なり【山鳴】

  1. 〘 名詞 〙 山が鳴動すること。また、その音。地殻運動、谷あいの水の反響空洞を通る空気の反響などによって起こる。
    1. [初出の実例]「山鳴之事〈略〉皆地中奮気之所為なり」(出典:怪異弁断(1714‐15)五(古事類苑・地四四))

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