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巡回裁判(読み)じゅんかいさいばん

百科事典マイペディアの解説

巡回裁判【じゅんかいさいばん】

英国でイングランドおよびウェールズ八つの巡回裁判区に分け,各区に高等法院判事が年3回出張して刑事民事の裁判を行う制度陪審員の便宜のために13世紀に始まり,全国を法的に統一するのに役立った。1971年廃止。類似の制度はドイツフランスにもあった。米国には巡回控訴裁判所が現存する。

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅんかいさいばん【巡回裁判】

裁判が地方に固定的に常設された法廷で行われず,定期ないしは不定期に巡回して来る裁判官により果たされる制度。官僚機構や貨幣による報酬,交通手段などの不備な時代には,地方在住の地方役人に大きな権限を与えると土着貴族化し,地方分権化の危険が多かったため,中央の宮廷から臨時的に派遣される裁判官による裁判および地方役人の監督方法であった巡回裁判制は,中央政権が地方を統一的に統治する一つの有効な手段であった。フランク王国9世紀のカール大帝による巡察使が早期の例として有名であるが,イギリスではとりわけ12世紀後半から組織的にこれが使われだし,地方法の駆逐,王国共通法であるコモン・ロー形成に一役買っており,現在でも英米法系の司法制度の一特色として残っている。

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