市民農園(読み)シミンノウエン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市民農園」の意味・わかりやすい解説

市民農園
しみんのうえん

遊休農地を都市住民に貸出して,手軽に園芸耕作を楽しめるようにした農園。 1990年に市民農園整備促進法が成立して以来自治体も積極的にあと押しするようになり,94年には建設省も補助制度を設けた。全国で約 5000ヵ所に市民農園があるが,1区画約 33m2,3年契約というのが一般的なモデルで,農作業に必要な収納庫やオープンスペースも付設されるようになってきた。市民農園で有名なのはドイツクラインガルテンで,1区画も日本の 10~20倍あり,小屋などを建てることもできる。市民農園は農作業を通して自然回帰をはかりたい都市住民と,遊休地の有効利用を願う農民双方にとって好都合な形態であるといえる。

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農林水産関係用語集 「市民農園」の解説

市民農園

都市の住民がレクリェーション、自家消費用野菜・花の生産、高齢者の生きがいづくり等の多様な目的で、小面積の農地を利用して野菜や花を育てるための農園。
なお、市民農園整備促進法において、市民農園は、[1]特定農地貸付法に基づき小面積の農地を非営利目的で短期間都市住民等に貸付けられる農地、[2]賃借権等の権利の設定は行わず、農作業の用に供される農地(農園利用方式)、[3]これらの農地に附帯して設置される農機具収納施設等を合わせていうこととされている。
また、市民農園開設の認定を受けることにより、農地法特例(転用許可不要)や、都市計画法の特例(開発許可が可能)等といった措置の対象となる。

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百科事典マイペディア 「市民農園」の意味・わかりやすい解説

市民農園【しみんのうえん】

一定規模の農地をいくつもの区画に分けて農家以外の人に貸与し,非営利目的の農業を楽しんでもらうための農園。特に1990年6月,都市農地の一部を市民農園として利用し,住民に農作業体験の機会を提供するための市民農園整備促進法が成立してから増加した。近年ではグリーン・ツーリズムの一環として都市周辺部を離れた地域でも整備されるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の市民農園の言及

【都市農業】より

…そして最近では,むしろ都市と調和した農業生産の存在が都市にとっても有益であり,都市と農地の一定程度の共存を図るべきだとされつつある。 都市農業は生鮮農産物の供給といった面だけでなく,観光やレクリエーション,緑地,オープン・スペースなどの機能をもち,さらには学童教育や市民農園などにおいて教育文化活動関連の機能をも果たしうるといったように,都市にとっての多面的な機能をもっている。しかし一般の都市農業は農家の個人的努力による存続に任されており,直販その他の販売面での有利性を生かして高収益をあげている農業経営もあるが,高地価,高労賃などの都市化圧力のなかでしだいに減少しつつあるものが多く,都市農業は都市化の進行のなかで経過的にしか存在しえないのではないかという見方もある。…

【分区園】より

…公共団体や民間団体が管理する土地を一定の区画に区分して,これを一定期間住民に貸付けし,農作物,草花の栽培を行わせるものである。市民農園,小菜園ともいわれる。1830年代にライプチヒの医師D.G.M.シュレーバー(1808‐61)によって児童の保健のために必要な週末利用の施設として提唱されたことからシュレーバー菜園ともいわれる。…

※「市民農園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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