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帰納 きのう epagōgē; induction

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

帰納
きのう
epagōgē; induction

個々の事例の観察からこれを含む一般命題を確立する推理。演繹に対する。完全帰納 (結論にいたるためのすべての事例を枚挙しうる場合) と不完全帰納 (事例のすべてを尽していない) の2種がある。

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デジタル大辞泉の解説

き‐のう〔‐ナフ〕【帰納】

[名](スル)個々の具体的な事例から一般に通用するような原理・法則などを導き出すこと。「以上の事実から次の結論が帰納される」⇔演繹(えんえき)

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百科事典マイペディアの解説

帰納【きのう】

ギリシア語エパゴーゲー,ラテン語インドゥクティオに由来する英語inductionなどの訳。〈帰納的推理〉〈帰納法〉とも。演繹(えんえき)の対。幾つかの特殊な事例(前提)から一般的結論を導き出す蓋然的推理。
→関連項目推理数学的帰納法論理学

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世界大百科事典 第2版の解説

きのう【帰納】

ギリシア語のepagōgē,ラテン語のinductioに由来するヨーロッパ語(英語のinductionなど)の訳語。もともとは〈上方に導くこと〉を意味したが,現在では,より特殊的な事例からより一般的な法則を導き出すこと,という意味で用いられる。その点で,より一般的な事態からより特殊的な事態を推理(推論)する演繹と対比的に用いられることが多い。人間の推理方法には,この二つの推理,すなわち,一般から特殊を導く演繹的推理と,特殊から一般を導く帰納的推理inductive inference(reasoning)が存在し,しかも,それらが異なる特徴をもつことを指摘したのはアリストテレスであった。

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大辞林 第三版の解説

きのう【帰納】

( 名 ) スル
個々の特殊な事実や命題の集まりからそこに共通する性質や関係を取り出し、一般的な命題や法則を導き出すこと。 ↔ 演繹えんえき
反切によって漢字の音を導き出すこと。 〔西周にしあまね「百学連環」(1870~71年)で英語の induction を「帰納の法」と訳した〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

帰納
きのう
induction

特殊から一般を推論し、帰結すること。演繹(えんえき)、すなわち演繹的推論においては、前提が真であれば、結論も必然的に真でなければならない。これに対して、帰納においては、前提が真であるからといって、結論が真であるということは保証されていない。したがって、帰納に基づく論理、つまり帰納論理は厳密な意味では論理とはいえない。しかしながら、論理を演繹のみに限るといろいろと不都合なことがおこる。たとえば、科学理論を構成するに際しては、実験データや観測データから出発して理論が組み立てられるといわれている。つまり、データから理論が演繹されるのではなく、帰納される。
 データから理論へというこのプロセスを整理し、演繹論理とは別の論理、すなわち帰納論理を定式化しようという試みはF・ベーコンに始まり、J・S・ミルを経て、いまでは近代論理学の一分野として、統計学とも結び付いて活発に研究されている。
 とはいっても、理論物理学のような理論的科学においては、帰納によってデータから理論が構成されるわけではない。多くの場合、まず理論が組み立てられ、そこからデータと照合することができる命題が演繹され、データに合致するかどうかによって理論が検証される。したがって、こういった理論においては、帰納あるいは帰納論理は、演繹ほど大きな役割を演じていない。[石本 新]

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世界大百科事典内の帰納の言及

【科学哲学】より

…また,科学方法論を直接テーマとしたのはJ.S.ミルであった。科学的帰納推理に関する彼の研究は現代科学哲学の一つの源流と考えられる。この帰納的方法論の尊重はやがて,マッハやデュエムの実証主義の基礎を築き,そして,遂に,現代の科学哲学を生み出すことになるのである。…

【論理学】より

…これは陰に陽に,すべての論理学者によって承認されてきた事実なのであった。
[帰納的推論と演繹的推論]
 ところで,世界についての事実認識を基礎に置いて,これまた世界についての認識にいたる推論がある場合,われわれは前提と結論の関係に応じて推論を2種類に区別することができる。一つは,より個別的で単純な事例の集りから,より一般的な法則を導くところの,帰納的推論(帰納)と呼ばれるものである。…

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