食の医学館 「干しシイタケ」の解説
ほししいたけ【干しシイタケ】
《栄養と働き&調理のポイント》
○栄養成分としての働き
生シイタケとほぼ同じ栄養成分をもっていますが、含有量は干しシイタケのほうが上です。乾燥させることでエルゴステリンがビタミンDにかわる量がふえるため、カルシウムの吸収率もグッとアップします。
豊富な食物繊維はコレステロールの吸収を抑制したり排泄(はいせつ)を助けるので、動脈硬化、脂質異常症などの予防に有効です。この食物繊維はβ(ベータ)―グルカン。免疫機能を活性化してがん細胞を抑制します。
最近の干しシイタケは天日で乾燥せず、電気乾燥が多くなっているので、香りもあまりよくなく、ビタミンDの生成も激減しているとされます。Dの効果を期待するなら、食べる前にしばらく日光にあてましょう。
干しシイタケのもどし汁にはうまみ成分のアミノ酸がたくさん溶けだしているので、捨てずに煮ものの汁などに使いましょう。
もどすとき、ぬるま湯に砂糖をひとつまみ入れるとシイタケの浸透圧が高まり、成分が余計に溶けだすのを防げます。水でもどして加熱するときにできる「グアニル酸」がうまみのモトで、冷蔵庫で1晩もどしてから加熱調理すると、グアニル酸が多くなり、うまみも増します。