平谷(読み)ひらや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「平谷」の意味・わかりやすい解説

平谷(村)
ひらや

長野県南西部、下伊那郡(しもいなぐん)の村。1934年(昭和9)波合村(なみあいむら)が浪合(なみあい)村(現、阿智(あち)村)と平谷村とに別れて成立。愛知県へ西流する矢作(やはぎ)川の上流平谷川流域、木曽(きそ)山脈東麓(ろく)の山間にある典型的過疎村。近世伊那三河(みかわ)を結ぶ三州街道(国道153号)が通り中馬(ちゅうま)宿で栄えたが、昭和初期の三信鉄道(現、JR飯田(いいだ)線)開通後は陸の孤島化した。国道153号に交差する418号が東西に貫く。耕地が少なく森林が村面積の96.7%を占める。シイタケリンドウなどを栽培する。南部の赤坂峠一帯は別荘地やゴルフ場、スキー場が開発され、平谷湖のフィッシングも人気がある。面積77.37平方キロメートル、人口387(2020)。

[小林寛義]


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改訂新版 世界大百科事典 「平谷」の意味・わかりやすい解説

平谷[村] (ひらや)

長野県南西端,下伊那郡の村。人口563(2010)。矢作(やはぎ)川支流の上村川上流域にあたり,西は岐阜県に接する。信州と三河を結ぶ三州街道(現,国道153号線)が中央部を南北に通り,国鉄(現,JR)飯田線の開通まで宿場町としてにぎわった。木曾山脈南東部にあってほぼ全域山林原野で,古くは木曾馬の産地であった。農林業を主とし,米作,シイタケ栽培のほか,高冷地の特性を生かして,トウモロコシ,ホウレンソウの栽培が行われる。観光開発が進められ,学生村(現在は存在せず),スキー場,ゴルフ場,別荘地が設けられている。
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